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第5話 キャロラインノー - 2002年02月27日(水) サンバの香りが街じゅうにたちこめる海岸で、 ブライアンは愛しのキャロラインと砂浜をかけていた。 今にも飛び出しそうな豊満なバスト。 神が授けたとさえ思えるような黄金のロングヘアー。 「こっちよ、ブライアン。」 「まってよ〜。愛しのベイビー。」 「アハハハハハ。どうしたのもうへたばったの。 そんなんじゃ、私は手に入らないわよ。」 ブライアンは必死に砂浜をかけた。 キャロラインの肩に手をかけると二人は 砂に顔をうずめた。 キャロラインの美しい上半身から、やわらかな胸がとびだしていた。 ブライアンは一気に興奮した。 「キャロライン、愛してるよ。」 ブライアンの目は愛というより野生の欲望で輝いていた。 「ああ、たまらない。」心の中で思った。 そのときである、突然大きな声でブライアンを呼ぶ声がした。 「あっちちち。」 ソファにもたれかけていた、ブライアンの前に奥さんのジェニファーが たっていた。「何の夢みてたの、いやらしいわね。」 ブライアンの下半身には熱々のホットミルクがこぼれていた。 「なーんだ、夢か。」 夢を見てる場合か、ブライアン。ツアーはどうした。 立ち上がれブライアン、歌えブライアン。 つづく - 第4話 アップルパイ - 2002年02月26日(火) 今日のブライアンはちょっとごきげん。 月に一回のアップルパイの日。 ママが焼いてくれるおいしい、おいしいアップルパイ。 待ちきれないブライアンはフォークをもって何度も机の上 をたたいていた。 「しょうがないわね。まるで子供なんだから。」 ママこと奥さんのジェニファーが呆れ顔でパイを運んできた。 ジェニファーがいなかったら、毎日でもアップルパイを食べ 続けていただろう。 「ヒャッホー、パイだ、パイだ。」 ブライアンは焼きたてのアップルパイにむしゃぶりついた。 もう誰も彼を邪魔することはできない。 ほとんど食べ終わる頃、ブライアンの頭に何かがよぎり フォークの動きを止めた。「なんだっけ?まあいいや。」 ブライアンは食べつづけた。 思いだせ。立ち上がるんだ、ブライアン。 アップルパイは日本でも食えるんだぞ。 つづく - 第3話 BIG WAVE - 2002年02月25日(月) ブライアンは思い出していた。 もうだいぶ昔のことだ。一枚のアルバムが製作された。サーフィン映画用のサントラだ。そのアルバムの全曲をビーチボーイズの曲でやりたいと言ってきた男がいた。彼は日本人。ブライアンは別に気にもとめていなかった。すぐにOKサインをだした。そして、アルバムは作られブライアンのもとに送られてきた。それはそのままビーチボーイズであった。ただ違ったのは、それがたった一人の男の多重録音のコーラスで作られていた点であった。よくできているとブライアンは思った。そして、よくまあここまでやるな、日本人とは器用だとはきいていたがちょっと変わっているなと思ったのだった。 その日本人とは言わずと知れた日本が誇る変わり者お宅ミュージシャン山下達郎だ。 ブライアンはきっと日本にはあの男のようなファンがたくさんいるんだろうなと思った。生粋のアメリカ人であるブライアンはアメリカ人が抱いているビーチボーイズのイメージにはうんざりしていた。もうサーフィンUSAは二度と演奏したくなかった。「日本にいこう。そして、真のファンに会おう。それが私の新たなるスタートだ。」ブライアンは思った。 ブライアンは1枚目のソロアルバムをだし、自身を深めていた。ふつふつと湧き上がる情熱を発散できないでいたのだ。 「日本で私のやりたいことをやろう。」ブライアンは決心した。 ただ、ひとつ問題があった驚異のファルセットボイスをもったブライアンであったが、そのファルセットは過去のドラッグづけの生活で輝きを失っていたのだ。 ブライアンは困ってしまった。 ブライアンは一気にやる気がなくなってしまった。そして、家政婦にホットミルクのおかわりをもってこさせると、口からミルクをたらしながらそのまま眠ってしまった。 果たして、ブライアンは復活できるのか。幻のツアーとなるのか。 がんばれブライアン。立ち上がれブライアン。 つづく -
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