ガス馬車御者も、一年以上やっているといろんな人を乗せる。 で、そういう人たちには、必ずある一定の法則が見られる。
たとえば、題名にあるような壮年の人。 あまりにギャンブルにはまっている人や、変わり者でない限り、必ず金銭面で子供を甘やかしている。
聞いてみると、全員が全員、自分が戦後時期に金銭面で苦労しているので、息子や娘には苦労させまい、と、子供たちがほしがるものをすべて買ってあげるらしい。 うちのガス馬車御者も、同様で、子供たちには車だの家だのをどんどんかってやっている。
だが、そういう子供たちは必ず金銭感覚が乱れる。 うちのガス馬車御者の息子たちは、おいらより年上。しかし、みんなおいらたちより金の価値がわかっていない。 一人はパチンコで1200万の借金をし、また一人は、1000万ちかい借金をその筋の人からして、返済に困っている。 んで、この親がまた馬鹿で、これが二度目であるのにもかかわらず、親が返してやっているのだ。まあ、所詮は喘息フィリピーナ(^^;
今までの話は、以前も書いたお話。本編はこの下から。 さて、この日乗せたお客も例外ない上記のような人物だった。 ただ、彼の場合は、ちょっと様子が違う。
十数年前、彼の息子が高校生になったとき、彼の息子の友達は、ほとんど全員バイクを乗り回していたという。あんのじょう、息子もほしがった。 そして、250CCのバイクを買った。 だが、それが彼の人生最大の失敗だった。 翌日、彼の息子は死んだ。 交通事故だった。即死。 彼の妻は、彼を責めた。彼も悔いた。 今になって、やっと笑えるようになったという。
お金を無尽蔵に出すのが悪いとはいわない。確かに金の価値はわからなくなるかもしれないけど。
ただ、子供が暴走して死んでしまうかもしれないことを考えると、いくつになってもおいらは子供に車とかを買ってやれないだろう。(金がないだけか?) おいらは、子供をそこまで信じてあげられるか。 (そもそも、ゆずの運転も半分くらいしか信用していない。でも、これはゆずを失いたくないからの感情だということはわかっている。だから、必要以上にぶーぶーいうのだ) 子供を失う可能性があるなら、おいらなら避けて通るだろう。子供に危ないものはかってやらんだろう。 大体、今の世の中、大の大人ですら、飲酒運転を平然と行うのだ。 そんなやつらが跋扈する世の中、大人の言葉が重みを持たなくなるのは当たり前。 親が一番つらいところ。それは子供をどこまで信じてあげられるか、なのかもしれない。
おいらが子供を持つことに恐怖を覚えるわけ。 それは、自分が常に喪失の危機にさらされるから。 これからのおいらの課題かもしれん…。
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