夢見る汗牛充棟
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鬼の復権 歴史文化ライブラリー172 吉川弘文館 萩原秀三郎
■「宇治拾遺物語」 (巻11の10) 〜日蔵(にちぞう)上人が吉野山で鬼に会った話〜
恨みを残して死んだ人間が、鬼になる。 輪廻の輪から外れ、永久に異界を彷徨う。
■目に見える鬼 目に見えない鬼
目に見えないことこそ鬼の本来であること。 仏像に影響され、神像が生まれたように、隠れた鬼が姿を現したのではないか。
鬼は、支配者側から、恐ろしいものとして著され 鬼は、民間では、良いことをしてくれる、多少の親しみを持てる存在として捉えられた。
死霊=霊魂=タマ が、オニとカミの未分化な存在としてある。
オニやカミが死霊から立ち上がってくるということ。
※怒りを恐れて死者を神として祀ってきたようなこと?
■死霊の住処=他界 とは何か それらの去来方位は?
西北=戌亥 を著者は主張する。
陰陽道では、八卦で大凶とされる「艮」にあたる十二支の丑寅(東北)が 「鬼門」に配される。ゆえに、鬼の角は牛の角。虎皮の褌は、虎からくる。
■中国の儺(おにやらい)
仏教寺院と鬼 修正月会 修二月会 季節の変わり目にあたり、災難や邪、悪霊を祓い、福を招く
追儺:中国起源
鬼の原義(中国)
・人の帰するところを鬼となす(説文解字) ・人の死する、みな鬼という(礼記) ・之(鬼)を視れども形なし(淮南子)
死霊=鬼 � ,�ちんと祀られ祖霊となった鬼 �◆,修Δ任覆さ�
にわけられる。ようは、成仏できたかできてないかってことか?
そして、鬼が鬼を狩る。
周礼 夏官 方相氏の項 「熊皮をかうむるものは、以って疫病の鬼を驚かせてうつなり。 今の魌頭(きとう)のごときなり」
方良=もうりょう :死人の脳を食う怪物
●儺の歴史
もともと一年に一度、というものではなかったが、 唐代に官民ともに大晦日の儺が定着。
日本の儺は、唐代の儺の影響が強い。
国儺(こくな)大儺(たいな):宮中の儺 ←→ 郷儺(ごうな):民間の儺
参考:荊楚歳時記・秦中歳時記
●山
異界としての山
昔の人の生活は、山と切り離せない。
里山(端山)、奥山
奥山には、天狗、鬼、山姥、山人が棲む。異界。
山は祖霊が鎮まる場所でもある
● 射日神話と招日神話の一対
日を射て落とす。→日が恐れ、身を隠し世界が暗くなる。→日を誘い出す
■ 榊や撞木(仏具の一つ。鐘・鉦等を打ち鳴らす道具)や杖を手にして 山から言祝ぎにやってくるさまざまな鬼。
(追儺型の追われる鬼が覆いかぶさる前の、山の精、山の神、山の死霊に 基づく鬼の姿が覗く)
見えない神は、姿を見せる時点で、零落が始まっている。
■ 榊鬼の反閉(反閉:足踏みの儀礼的所作)
大地の地霊を祓い鎮められるべき悪霊としてとらえる考え。
本来は、おそれつつしみ、慰撫をする。一種の表敬行為。 地霊は豊穣をもたらすもので、本来は悪霊ではない。
■「生まれ清まり」:「よみがえり」
「冬至の祭り」太陽の衰亡と再生を意図する。
「人間が生きているのは、ある種のエネルギー源であるタマシイを内に 秘めているからで、タマが飛び出して帰ることがなければ死し、体は エネルギー源を失い冷たくなる。エネルギー源を支えているのは食べ物で あり稲である。稲が枯死するように、火や水や太陽も、畏敬すべき自然で あり生命力の根源であるカミでありながら有限性が付加されていた。 それらを更新させ、ヨミガエリを果たす仕掛けこそが祭りであり、正月」
伝統的民族社会では、年末年始に死者のミタマは帰る。
■「宿借り」という儀式 ■音なう神 蓑笠姿 :鬼
『日本書紀』神代 上 第七段
「既にして諸の神、スサノヲノミコトを責めて曰く、「汝が所行甚だ無頼し。 故、天上に住むべからず。亦葦原中国にも居るべからず。急に底根国にいね」 といいて、乃ち共に逐降ひ去りき。時に霖(ながあめ)ふる。スナノヲノミコト 青草を結束ひて、笠蓑として、宿を衆神に乞う。衆神の曰く、「汝は是躬の行濁悪 しくして、逐い謫(せ)めらるる者なり。如何ぞ宿を我に乞ふ」といひて、遂に 同に距く。是を以て、風雨甚だふきふると雖も、留り休むことを得ずして、辛苦 みつつ降りき。爾より以来、世、蓑笠を着て他人の屋の内に入ること諱む。又、 束草を負ひて、他人の家の内に入ること諱む。此を犯すこと有る者をば、必ず 解除(はらえ)を債す。此、太古(いにしへ)の遺法(のこれるのり)なり。
蓑笠姿で他人の家を訪れることはタブー。
枕草子「蓑着て笠着て来るものは鬼」
解除(はらへ):自分の犯した罪や受けたケガレの度合いに応じて、それを晴らすため何らかの物を差し出すこと。
■ 狂言「せつぶん」裏手のせど(背戸:西北:戌亥)門から鬼がやってきて宝を置き、蓬莱の島へ立ち去る。
蓬莱:宇宙の聖なる中枢であり、(仏教で言えば須弥山)そこには宇宙樹が立っている。 混沌たる世界には、聖なる中軸があってこそ秩序が整う。
白山行事:明け方、山見鬼が伴鬼を連れて来て、悪鬼を退治する。(鬼が鬼をやらう)
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