夢見る汗牛充棟
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2007年08月16日(木) 十八世紀ヨーロッパ監獄事情 ジョン・ハワード

川北稔・森本真美:訳
岩波文庫 青465−1

読了。
ガレー船徒刑囚の回想からなんとなく続いてみた。

各地の監獄を実地検分してまとめた報告書。
監獄の囚人達の環境改善のために自ら出向き調査して
レポートにまとめるというのは途方もない作業でなかなか
できないことだなと思う。

今の刑務所より環境がよろしくないのは当然として
役割も違うようで面白かった。

昔は犯罪者と貧民は区別なく同じく監獄に入れるものだったなど
けっこうショックだった。貧乏は社会悪なんだな、と。
んで、入りたくもないのに費用は自分持ちで入れられるのが厳しいです。
で無罪が確定しても出るのに手数料が必要で払えないと監獄に止め置か
れるって、涙ちょちょぎれます。
債務犯も監獄入り。逆さに振っても血も出ない債務者を監獄に
放り込む費用は債権者持ちというのは面白かった。

換気口がない、清潔でない、光が当たらない、水も充分でない
食料は勿論のこと。劣悪なところは、本当に劣悪で身震いできる。
一週間も生きていられる気がしないです。
男女大人子供区別せずに入れられたり。
着替えはない、寝床はない、清掃されない。ないないづくしで
これじゃ、伝染病だって発生しますよね。恐ろしい。

手の付けれらない子供を矯正の為に親の希望で収監するなどは、
ちょっと今では考えられない使い方です。

人を殺そうが、税金滞納しようが、借金返せなかろうが、
住処がなくてそこらで行き倒れていようが、同じ場所に入れられる
というのは、厳しいな、と。あと信教ゆえってやつもすごく最悪です。
でそれをそれが当たり前の時代におかしいと考えて、どうにか改善
しようと奔走するこの人はすごい人だと思う。

あと監獄に限らず、献立などをみると昔のヨーロッパの人は
つくづく肉・乳製品・豆・麦(パン)で生きてるんですねぇ。
野菜のなさっぷりに驚きます。よく平気だな。

そんなで、面白い本でした。



カスタードプリンをこさえた。
オーブンで蒸し焼きですが、最後にお湯張った天板が重くて
手が滑ってお湯が床にこぼれました。期せずして床の拭き掃除
までできて一石二鳥だった……ということにしておく。汗だく。
プリンはカラメルとカラメル色に染まった天辺が一番好きだ。
ようはカステラの上と下が大好きなのと同じだ。


恵 |MAIL