「隙 間」

2005年08月30日(火) 水たまりに映る月

改札を抜けて外に出る。
夜の通り雨がアスファルトを冷ました後で、風がひんやりと足元を通り抜けてゆく。
薄暗い足元で、時折、水を跳ね上げる音を立てる。
気を抜いたらガクガクしそうな膝をこらえて歩く。
家まであと何歩?
いつもの癖で、頭上に月を探す。
雲はまだ厚く、隠れたまま。
水たまりに映る街灯の月を、足で踏み消して回る。
はじけて、またすぐにその姿を現す。
ひとつの月を踏み付けたまま、空を仰ぐ。
本当の月は、まだ姿を現さない……。
やがて諦めて、また家路に向かう。


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