過去の自分が、淋しげな眼差しでボクを見ている。 ボクはボクの背中を追い掛けながら、足を早めてゆく。 時折背中を振り返りながら、ボクはボクを追い掛けながら、ボクを置き去りにする。 追い掛ける背中はひとつきり。 置き去ってゆくボクは、時の数だけ増えてゆく。 振り返らない。 きっと、キリが無い……。 淋しげに見えるのは、今が違うから……。 追い掛けるのは、今それが見えるから……。 捨ててしまうんじゃない、置いてゆくだけ。 忘れ去るんじゃない、ただ見ないだけ。 いつも背中を感じながら、追い掛けるだけ……。
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