「隙 間」

2005年10月14日(金) キミとボクと、前向きと後ろ向きと

「前向きに。ね?」
「ちゃんと、後ろ向いて真っ直ぐを見つめてるよ」
「後ろ向きじゃん。ネガティブなんだからもう……」

 そう苦笑しながらキミは言った。
 一生続くだろう事を知らないから
 仕方が無い。

 中途半端に、弱音を吐いたりは出来ても
 その事を知らせてしまう訳にはいかない。

「そんな事無いさ。大丈夫」

 そう言って、背を向けた。
 聞こえたかどうか、わからない。

 後ろを向いて真っ直ぐ見つめることは
 自分がこれまでたどって来た風景を確かめ
 それから目を逸らさないこと。

 前を向いたとしても、明日は見るものじゃない。
 明日は、思い描くもの。

 前を見て、余計な現実を気にして
 それを見ながら、未来を予想するよりも
 なんとなく、いいような気がする。

 キミは、どう思うだろう?
 どう、思っただろう?

 本当は弱いのに、それを気にしまいとするキミと
 本当に弱い事を、隠さずさらけ出しているボクと

 プラスを望み、下がる事を避けるキミと
 マイナスでも、いつか上がればそれでいいボクと

「チャンスは、作らなきゃだめじゃん」
「余計なチャンスは、無理に作ってもしょうがないじゃん」

 ことごとく、正反対。
 でも……

 はねのけて進もうとするか
 受け止めて進もうとするか

 根っこでは、同じモノで
 繋がってるのかもしれない。


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