角田光代さんの「エコノミカル・パレス」を読んだ。 前回読んだ「空中庭園」の作者。ついでに先日「爆笑問題のススメ」(札幌テレビ製作、NTV系放送)でゲスト出演していたのを観て、もう一冊読んでみようと思った。 さらっとした文体。ささいなところの、こまやかな描写。 さらっと読める。 テーマは、フリーター的人種の考え方と、現実と。 「ポリシーのない仕事はしない」と就職を嫌う男と同棲している女性ライター。 ライターだけでは生活できずにアルバイトで生計をたてるのに必死な彼女。 それをはた目にしつつも、現実性の無い夢や理想を「口にするだけ」の男。 うーん、「夢だとか理想とか、届かない物に名前を付けるだけ」な思考は、やはり現実には相容れないわけ。 「もの書き」だけでは生活は出来ない。 「超」売れっ子作家にならない限りは。 それと自分を追い込むために退路を断つ、というのはよくない。 だから「もの書き」だけ、ではなく、普通の仕事をちゃんと続けながら、ものを書いてゆく生活を送るのが「ほどよい」そうだ。 ま、そんな話は、それこそ「夢や理想」の世界のお話だけれど……。
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