| 2006年11月28日(火) |
「幼な子われらに生まれ」とリライター |
重松清著「幼な子われらに生まれ」
を読んだ。 バツイチ同士の女の子二人を連れた女性との再婚、そして男は上の女の子と同じ歳の娘が一人いて、年四回の面会をしている。 そんな複雑なひとつの家族の中で、男は自分が父親でいるべきなのかあるべきなのか、なるべきなのかなってゆくべきなのか、本当の父親として夫として今の父親として夫として、その様々なそしてたったひとつの立場にたつ自分自身とそれを取り巻いている家族たちの間で苦しむ。
重松作品はありていに言ってしまうと、答えを突きつけるような明快さはない。ただ、主人公が道を選んでゆくその有様を伝えてゆく。 その世界に押しつけがないから、気がつくと胸の奥にそっと侵入されてしまっている……。 重松清は自らのことを「リライター」と呼んでいる。 どこかにあるもの、そこにあるもの、を自分の言葉を使って書き直す。 いい表現だと思う。
今日は 「16656」
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