| 2008年05月26日(月) |
拳振り上げんとす己が狭量に |
とあるドキュメンタリー番組を観ました。
ネットカフェ難民を取り上げたシリーズからのもの。
無職無住所の少年とサポートする青年の二人三脚の様を取り上げていた。 少年は養護施設で育ち、自立を促す為か年齢制限による卒園かで、ひとり社会に放り出され、その日暮らしの日々を過ごしてきた。
金が無くなりゃ、巻き上げればいい。
かつて自分がそうされてきたように、金銭だけではなく、生活に関する知識や計画性など全くなかった。
「歯ブラシやタオルを買って、この棚にしまえよ。冷蔵庫のここを開けると、ほらここで氷作ったり、アイスとかとっとけるから」 「ああ、ホントだ」
少年の生活費をサポートする青年が管理し、必要に応じてその都度、手渡す。 渡せば渡した分、少年は使い切ってしまう。
「なんで俺が俺の金を使うのに、あんたに口出されなきゃいけないんだっつうの」
夜遊びの金をもう少し欲しい、と少年がねだった挙げ句の会話。
「感謝はしてるよ。でも、関係ねえじゃん。言わせてもらえば、あんたらみんな、偽善者じゃん。大した力もないのに、余計なお世話だっつうの……」
青年はじっとこらえつつも、少年の言葉を受け止めてました。
なぜ、胸ぐら掴んで拳を振り上げんっ!
と、器のちっちゃいわたしは悶絶してしまいました。 手を出したって、それは所詮、己の感情の一時的な解消にしか過ぎず、解決のなんの助けにもならない。 いや、むしろ妨げとなることは確実です。 一時の感情に任せ、考えるより先に口にしてしまうこともあるし、口にしたからと、それが本心とは限らない。やがて変わり、理解できるようになるのかもしれません。
青年はきっと、少年に対してのより良き明日のために、ぐっと飲み込んだのでしょう。
そんな人々と同じ社会で、わたしたちは暮らしているのです。 別世界のひとたちというわけではないのです。
わたしも彼らと同じ社会のひとりなわけです。
だからどうしろ、というわけではありませんが……。 街の隙間に耳を澄まし、目を凝らし、己の足元を確かめ、地面をしかと踏みしめて立つことをおろそかにしないように、と思わされました。
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