中学生の僕は何もかも持余していた。いや、持余すことも出来ずに、寧ろ無いものとしていた。それが僕の生きていく上で、安定を齎す優れた対処法であった。時折、乖離した心と身体・空想と現実に気付いて動揺することはあったが・・・・。中学生を目の前にすると、知らず知らずに中学生の僕と比較している。中学生は中学生の僕じゃないし、僕はもう中学生じゃない。中学生の僕はそろそろ卒業して、中学生の現実を見なければいけないと想う。