今年最後の夏祭。熱に浮かされ振り撒く笑顔。掌に残ったのは『不覚』の文字。気が緩んでいただけではなくて、案外燥いでいたのでしょうか。僕は嘘吐きだということを忘れていました。語るべき場所は、此処じゃないのに。僕は僕の大嫌いな人間と同じことをしていました。漏れ出した言葉を回収する術があればいいのに。