彼女に誘われて茅野輪潜りが出来る小さな神社へ初詣に行った。新年早々行列に並ぶなんてウンザリだが仕方がない。前に並んでいた家族連れの子供が愚図り始めたので赤ちゃんを代わりに抱いてあやした。子供なんかぐにゃぐにゃしていて気味が悪いから嫌いだ。嫌いなのに器用に出来ちゃうのも『偉いね』って彼女に褒められるのも嬉しくない。泣き止んだ赤ちゃんの瞳に青空が映っていた。