白日の独白
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綺麗な顔をした突拍子もないことをする面白い彼女がいた。 僕は彼女の容姿も性格も好きじゃなかったけれど、その人生は好きだった。 逢うたびに僕がにっこりと笑うと、それは合図となって彼女は自分の話をした。 僕がせがまなくても、彼女もまた人生を誰かに聞かせたかったのだと想う。 暫く音信不通となっていたが、最近になって昔の男と見知らぬ土地で暮し始めたと聞いた。 彼女の話を聞けなくなることに少しだけがっかりした。 しかしそのがっかりも数ヶ月の間のことだった。 共通の友人から今朝方メールが来たのだ。 彼女が男と別れて今は南の島にいると書いてあった。 僕はモニターを見ながら両手を叩いて大笑いした。 彼女は決して期待を裏切らない。 彼女の異常な人生は、きっとこれからも続く。
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