切れ切れではあるが淀みなく話す貴女の言葉を僕は記す。ノートに書かれているのは文章になれない単語のみが散乱している。いつもそうだ。いつもいつも。貴女は断片的なことしか語れない。何故なら貴女の眼はこの世界の細部のみを見ようとするから。部分の寄せ集めが全体であるのは間違ってはおりません。けれど全体は部分の集合体以上でもあるのです。僕は貴女にそれを伝えられるのでしょうか。それは貴女の望むことであるのでしょうか。