白日の独白
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好きな人が南の島へ行くと言った。 僕が淋しくなると言うと「今だってほとんど会わない」と言った。 君の言う通りだ。ここ数年間は1年に3回会えればいい方だ。 それでも僕は淋しいと言った。そういうことじゃないんだ、と。 「何処に居ても同じだし嫌になったら帰ってくるから」と呆れたように言った。 君は僕と違って何処にも掴まる所がなくても立っていられるのだ。知っていたけれど。 僕はずっと君に憧れていた。君みたいになりたいと想っていた。 これまで少しも君には近付けないでいる。きっとこれからも君にはなれないだろう。 南の島で落ち着いたら僕を扶養にしてねと言った。 君は笑って「嫌。」と言った。「私は自分のことで手一杯なの」
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