くじら浜
 夢使い







終わりなき夏   2001年09月08日(土)

物理的な破壊現象を目のあたりにすると
人の心も一緒に壊れるんだろうね。


ちょうど20年前のこの時季
あれだけ夢中になっていたことを
たぶん老いるまでやっていくんだろうと思っていたことを
ぼくは挫折でやめた。

その破壊現象はその年の夏が終った瞬間に
いつもいた海岸で起こった。

「海の家」が次つぎにあとかたもなく壊されていく
たったそれだけの光景だった


それは「人工的なもの」であって
もともとないものを人が勝手に造っただけで
それが元にもどっただけのことだが
やっぱりそれは夏の象徴であり
ぼくたちみたいな中途半端なサーファーにとっては
心休まる場所であり
いつもそこになくてはならないものだった。

毎年その破壊現象は見てきたわけが
その年はすべてが違っていた。


夏の終わりに波乗りをやめ
夏の終わりに海の家が壊され
そしてその光景が強烈に心に焼き付いてしまった。

だから
夏が強烈であればあるほど
いつもこの時季は心がチクチク痛む





初日 最新 目次 HOME