くじら浜
 夢使い







その宇宙 ��   2007年06月20日(水)

君が真実をさがしていたとき
ぼくの宇宙は白の季節だった

森の木々も大地も雪でおおわれ
だからぼくの宇宙にくるとき君は
さらに深い傷を負っていた

わずかな隙間から入ってきた君の光は

もう とべないよ

と
つぶやいた

ぼくは雪の剥げた斜面に一本の木を植えた

弱々しくも必死にもがく君は
朝日になりその斜面をてらし
雪に反射して木の幹をてらし
夕陽になり木葉をゆらし
月光になりその木をみつめ

いつしか飛べない光は
大地の雪を少しづつ溶かし
その地中に深く繋がる根っこと
天にまっすぐ延びた枝葉は
君の光をぜんしんに浴びたんだ

その刻まれた年輪は
確かに君であり
君の光であり
君の宇宙だった


 感情は雨となり

 雨は血に交じり

 血は記憶となり意識となり

 感情は雪になり

 雪は光に溶かされ

 光は年輪になり地層になり

 根付いた一本の木から

 ぼくは森になり

 君は光になり

 その宇宙に向かっていった。








≪ ≫ 初日 最新 目次 HOME