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一枚の絵 2012年05月19日(土)
喧騒とした夜が明けてゆく
ピカソから抜けでたような継ぎはぎだらけの街が 一本の光を受けた瞬間 大道芸人の手品にかかったように あっという間に一定の秩序が動き出す
ガラクタを詰め込んだ魔法の箱は 午前4時半に来た清掃車に全部中身をはきだされ そのあとに水をまく車によってタバコの吸殻一本さえも残さず 容赦なくその痕跡を消されてゆく 欲望のしたたる染みは空腹のカラスたちが食べつくした
その一本の侵入者によって敷かれた新たな秩序が 真っ白になったキャンパスに新しい絵を描き始め すずめがチュンチュン鳴き始めたら そろそろ朝の風景が完成するのだろう
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