こんばんは。お元気ですか?桂子です。
今日は、9日の日記に書きました、 『とりかへばや 再び』の続きを…… 無責任ながら書きました。 「ある日あるとき中身が入れ替わった幸鷹と鷹通」の、 その後…なのですが。
少し(?)調子が変わっています。
すみません……ギャグでしたのに……
どうぞお許しを……
*
『この唇も手も』
「…あ、友雅殿。どちらに?」
「うん。ちょっと、レンタル店に。DVDでも借りようかと」
「そうですか…お気をつけて」
最近彼は夜に出掛ける。
11時過ぎに外に出て、帰りが1時を回る日も。
『何時に帰って来れそうですか?』
――そんなこと。聞かなくても。
前なら云ってくれたけど。
云ってくれなくなったのは。 待つなということなのだろう。
30分。
1時間。
自分はこれまでこういう時間を どうして過ごしていたのだろう?
1時間半。
2時間――
もう休まないと明日に響く。
彼のほうとて同じだろうに――
冷えたベッドに潜り込み、 瞼を閉じたその直後。
玄関のほうで音がして、 彼がようやく帰宅した。
けれどもここへは入ってこない。
朝までソファにいるのだろう――
『…友雅殿。昨夜はどこかへお泊まりに?』
『いや、別に。戻ったよ? 映画を見ながら眠ってしまって』
優しい微笑。 変わらない。
彼は変わらず優しいけれど。
この頃キスしてくれなくなった。
手すら…握ってくれなくなった。
優しいけれど。 私はもう。
以前の私と別人だから。
似ているとか――いないとか。
程度の問題ではなくて。
違うから。
唇も手も。
あなたにずっと触れていた、
あなたが触れて――愛してくれた、
あれらを私は失ったから。
――友雅殿…
あなたが遠い――
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