白虎草紙
『遙か』の白虎組についての四方山話、SSなどです。

2007年01月04日(木) 軽く、軽く…

 
 
 


旅に出る前、MP3プレイヤーに、好きな曲を次々と吸い込ませながら、思った。


「昔は、CD一枚を選ぶのにも、時間を掛けていたな。ほかの荷物との兼ね合いで、どれを削ろうか、もう寝ないといけないのに悩んで…」


そんな時間が必要なくなり、旅の荷物は軽くなった。

きっとそのうち、「どの本を持ってゆこうかな」と悩むその時間も、電子ペーパーほかの普及で、削られるだろう。

旅の一番の足であった「ひかり」は、いつのまにか「のぞみ」に取って代わられ、調布に住んでいた頃には片道五時間ほどもかかった帰省は、今は四時間も要らない。

二時間半で着くと思えば、駅弁を買うこともあまりなく、品川駅で、スタバのコーヒーを買い込んでおしまい。

どんどん軽く、どんどん速く。

それで、旅の大事な何かが、軽くなっていなければいいのだけれども。










 




 
 


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桂子 [HOMEPAGE]