「チャイルド44」の続編です。 スターリンの死後、フルシチョフが痛烈なスターリン批判を展開。次々と政治犯が釈放され、元KGB職員の自殺・殺害が相次ぐ。主人公レオにも復讐の魔の手が…という話。
こちらの、続編の方が面白かったです! 急激に反体制の揺り戻しが来た事による、社会の価値観の混乱とか。 レオがどんなに変わったとしても、傷ついた人達への謝罪にはならないんだと自問自答する姿が胸に迫りました。
強制収容所の、所長の謝罪を聞いて、囚人が思った言葉が印象的。 「仕方のないことだった」この言葉が何千もの命を奪ったのだ。 人を殺すのは銃弾ではなく、ゆがんだ理論と、入念に考え出された屁理屈だ。
女性達の強さが際だちましたね。 フラエラの生き様が強烈。夫を逮捕され、平凡な主婦から、犯罪集団のボスへと変貌。 報道によって、祖国の残虐さを伝えようとする、彼女の行動に唸らされました。 「お前を憎むまで、私は何者でもなかった」という、レオへのセリフが印象的。
KGB時代のレオ(の部下)に両親を殺された、ゾーヤ。 レオの養女になるも、心を開かず、ついに家を離れて犯罪集団に加わります。 ハンガリー動乱で、暴徒と化した市民に殺された、共産党員の息子にすがりつく父親。 それを見て、ゾーヤが、我に返るシーンも印象的でした。
蛇足。 ラストの、音楽家同士の愛憎劇、もっと詳しく聞きたかった…。 「彼は天才だったが、私はそうじゃなかった」 「私は彼を愛していた」 最初にチラッと出てきた楽譜の話が、まさか最後につながると思ってませんでした。伏線の張り方、上手いなー。
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