おはなはんの日記

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どっぷりと
2005年01月12日(水)

瀬戸内の海も山並みも、なにも語らず なにも教えてはくれないが
風はほどよく身を清め 空は心を揺さぶるほどに澄み切って高い

ひとり行くたびはものがなしさも伴うと
昔誰かに言われたけれど 旅はやっぱり一人がおすすめ

程良く効いたスチームの暖かさがわたしにはうれしい
ゴトン
 ガタンと身体を預けるには丁度よい小刻みなリズム

自分探しの一人旅
緩やかな坂道を白い息をはきながら登る
昔のままのたたずまいで迎えてくれる石垣
見下ろせばはじめてみる景色がなぜか懐かしくおもわれて
この町にあのひとが頑張っているのだとおもうと
とても好きになれそうだ

迷い込んだ小さな店の 抹茶セットが これまた粋だ
ノドをうるおし 田舎言葉に耳をあそばせ
懐かしいなぁ・・・故郷へとつながっていく旅情

あっ、っと思って手をのばせば
ふんわり暖かいショールのてざわり
母にあげたらどんな顔をして喜ぶだろう
そう思って飛び込んだ
すると、これは自分で編むのだそうだ
できますよ!お教えしますよ  どうぞ、どうぞと招きいれられ店の中
今は・・・旅の途中なんです・・・と話せば
大丈夫 大丈夫・・・帰り着くころには半分はできるよ・・・と言う
そっかぁ〜 じゃぁ チャレンジしてみましょうか

帰りの電車に揺られ揺られて 編み針をせっせと動かす
編み物って大変なんだと思っていたが
母の笑顔がチラチラかすんでみえてきて
針がスイスイはこびます
途中うつらうつらしながらほどよいところまで編んじゃいました
宵闇迫る電車の中ではこれもひとつのひまつぶし

いつ出かけても、シンデレラタイムまじかに戻ってしまう
これがわたしの一人旅
うごかしようのない自然色にどっぷり身をひたし
うごかせない時間との格闘にほどよく疲れ
うごかせない人生のいまという刻を刻んだ

どっぷり・・・どっぷり・・・
浸かってみるのもいいものだよ



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