バカ恋 | back index next |
■ 元旦初夜 ■ 皆様明けまして御目出度う御座います。 シュウとの初めての年越しは、 二人きりでしっぽりまったりと蕎麦を啜りつつ、 今年も宜しくってな感じで過ごそうと目論んで居たのですが、 カウントダウン参拾分前に、 風呂に入っていない事に気付き、 今年の汚れ今年のうちに! ってな訳で速攻で入浴しつつも、 入浴してる最中から除夜の鐘が鳴り響き、 慌てて風呂から上がって、 びしょ濡れのまま、新年の御挨拶をしたのでした。 勿論其の後、年越しちゃったね蕎麦を食す。 二人きりで迎える元旦は、 貴様等一体、何歳なんだよ此ノ野郎テイスト満載で、 今時の高校生だってこんな事しねえよ風情満作で、 何が楽しくて、元旦の日の夜の夜中の寒空の中、 アタシはこんな事してるんだろうと、 非常に疑問に思った素敵な夜と相成りました。 もう二度と御免です。 ちょっとした勘違いで、勝手に決め込んで、 更に勝手に落ち込んで、 物言わぬように玄関のドアを開け、 知らぬ間に壱人流離っていたシュウ。 居間でお笑い番組をゲラゲラ笑いながら見てたアタシは、 そんなシュウの奇行に全く気付かず、 てっきり不貞寝してるとばかり思ってました。 そして、此れ又知らぬ間にしれっと帰って来たシュウに、 何やってんの? と言われ、 御前こそ何やっとんぢゃいボンクラがっ! と噛み付いてみました。 其れから元旦早々、熱の入ったバトル開始。 シュウは益々ブルゥ度が増幅し、 アタシは益々レッドゾォーンへ進行。 もう一回頭冷やしてくる と、またしても家を出ようとしたシュウ。 アタシはぼんやりと考えて、 シュウの後を追うように家を出てみました。 しかもスタートダッシュかましてみました。 誰も居ない路地裏で、ちょっとした緊張感と合い塗れ、 怖いモノ見たさで後ろを振り返ってみたり・・・。 歩いては振り返り、そして小走りしては振り返り。 暗い夜道に走る車のライトが眩しくて、 思わず運転手を睨み返してみたり。 元旦の夜に徘徊する女。 在る意味、おまえの方が怖いってな。 そんな挙動不審なアタシの後ろをシュウが尾けていた事にも気付かず、 近づいてくる足音に、更に挙動度をアップさせたりして。 元旦の日に強姦に襲われたら、新聞に載るかもな とか、思ってみたりして。 ちょっと早歩きになってみたりして。 寒空の中歩きながら、こんな事してる自分が非常に馬鹿馬鹿しく思えて、 後ろからアタシの名を呼んだシュウの分も缶珈琲を買って、 二人でおうちに帰りました。 年明け早々、こんな事してるアタシ達って一体・・・・・・・・・。 |
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