バカ恋
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■ 愛には程遠い恋 ■



シュウはアタシと 結婚したい と言った。

確かにそう言った。

アタシの両親がシュウとの結婚に反対していると聞いて、

時間かかってでも説得する

とも言った。




此処最近、アタシがシュウに対して抱いていたモノが、

只の幻想だったような気がしてならない。

シュウが自らの口から放った言葉に対して、

アタシは一喜一憂し、信じ、明るい未来を祈った。

けれど、

シュウがアタシの思っていたような男じゃなかったら?

やっぱり他の男と同様に口約束だけの男だとしたら?

アタシには男を見る目がないのだろう。




最初から結婚を夢見てたわけじゃない。

結婚とは、愛する人と共に生きて行くための手段の壱つ。

其の思いは今でも変わらないけど、

シュウと暮らすようになって、

アタシの思いも少しずつ変化し始めた。

本音を言えば、シュウと結婚したいと思ってる。








其れでも何処かに理由をつけなければならないとしたら、

今のアタシにはシュウだけだからなんだと思う。




そもそも最近、

「愛してる」って何だろう、とか思う。

自分にそう言い聞かせてるだけで、

ほんとの愛なんてアタシにわかるのだろうか。

心から愛してるなんて本気で思ってるのだろうか。

ほんとはまた一人に戻るのが嫌で、

そんな風に思い込んでるだけなんじゃないだろうか。




其れでも、

シュウの声を聞くと胸が熱くなる。

シュウの笑顔を見るとアタシまで嬉しくなる。

シュウが元気ないと落ち込むし、

シュウが居ないときは寂しくて仕方ない。

でも多分、きっと、此れは「恋」なんだろう。




愛とか恋とか、其の境界線が何なのか、

アタシにはさっぱり判らないけど、

アタシがシュウに恋してるってことだけは確かだ。




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