バカ恋 | back index next |
■ デキ婚についてのエトセトラ ■ スーさんを子宮に宿した時、アタシはまだ弐拾壱歳で、 世間の有様など全く知らないケツの青い女子で、 ましてや、結婚など微塵も考えてなどなく、 自分が母親になるなんて想像すらしていませんでした。 とはいえ、 子宮に宿したこの子供を、何としても産まねばと、 若かったアタシと元旦那さんは、 お金も無い、仕事も無い、住む家も無い、 そんな状況で結婚をしたのでした。 所謂、デキ婚ってヤツです。 結婚生活は四年で破綻しました。 アタシは其の時、心に誓ったのです。 やっぱ未熟者同士の結婚はダメだ。 デキ婚は長続きしないんだ。 もしも次に結婚するような事があったら、 其の時は、順番を間違えないようにしよう。 と。 しかし、今のアタシは如何でしょう。 シュウの子供を産みたいと切実に願い、 結果、妊娠して結婚しようとしているのです。 やっぱり、デキ婚ってヤツです。 昨夜、シュウに デキ婚は長続きしないような気がするけどどお? と聞いてみたところ、 俺はデキ婚だとは思ってないよ。 一緒に住んでからずっと、夫婦だと思ってるし、 今回だって、思いがけずの妊娠だとは思ってない。 夫婦だもん、子供が出来るのは当たり前だろ? と言われました。 体裁に拘ってたのはアタシのほうだったんだよね。 「入籍なんて紙切れ一枚の契約」 そんな風に言い続けながらも、 たった其れだけの契約に執着してたのは、 アタシのほうだったんだよね。 そおか、 アタシ達は、もうずっと前から夫婦だったんだ。 |
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