僕は、血液型性格診断を非難する。こんな日記で叫んだところでどれだけの影響があるのかは分からないが、やらないよりはマシだろう。
僕は、おそらくは世の大多数の人と同様に、差別が嫌いだ。最近ではハラスメントと言われる、各種の嫌がらせは大嫌いだ。セクハラが代表格だが、他にも
- パワハラ
- パワー・ハラスメント。上司であるなどの立場を利用して、不当な要求を行ったりすること。
- アルハラ
- アルコール・ハラスメント。酒に弱い人に対して無理やり飲ませたりすること。
- アカハラ
- アカデミック・ハラスメント。大学では一般社会とは異なった特殊な常識が通用している場合が多い。その中で教授は特に大きな力を持っており、その権力を不当に利用すること。
- モラハラ
- モラル・ハラスメント。言葉や態度などによって人の心を傷つけ、心が壊れるまで貶めてしまうような精神的暴力のこと。セクハラもパワハラもモラハラの一種。多くの嫌がらせ行為はモラハラの一種と言えると思われる。
- スモーク・ハラスメント
- 略称が見られなかったので省略せずに記す。タバコを他人への配慮なしに吸うことによって無意識的になされる嫌がらせのこと。ハラスメントと言えるかどうかは少々怪しい気もする。
- ドクハラ
- ドクター・ハラスメント。医者による患者への嫌がらせ。モラハラの一種と思われる。医者は若いころから先生と呼ばれ、ふんぞり返って生活しているだけに問題の根は深い。
とまあ、Googleで検索しただけでこれだけのものが見つかった。そして、このハラスメントの一種としてブラハラというのがあるのだ。
ブラハラは、ブラッド・ハラスメントの略である。血液型による嫌がらせのことだ。その構造は、大まかには以下のとおりである。
まず、血液型性格診断によって、血液型ごとの性格の特徴を類型化する。この類型化にそもそも問題があるとの意見は多いが、多少乱暴なやり方でも、類型化は科学の第一歩だ。それ自体は問題ないと僕は思う。次からが問題で、その類型化の結果を、不正な手段で証明する。たとえば、誤った統計的手法を用いる、と言った方法だ。統計的手法は統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 ブルーバックス 120という本が出版されるほどごまかしやすい。また、僕が大学で聞いた例では「サルの電卓」という話もある。Googleで検索したらほとんどヒットしないので一般的な話ではないのだろうが、要するにデータを集めて適当に電卓をたたけば、何も考えていなくてもそれらしい答えが出るという例えだ。しかし、まだ問題はそれほど大きくはない。ごまかしているなら見破れば済む話だからだ。だが、次の段階でそうも言えなくなる。それがマス・メディアによる流布だ。これが問題なのは、血液型性格診断に一片のうそもなく、すべてが真実であったとしても問題の本質が変わらないということだ。つまり、血液型性格診断の真偽にかかわらず、血液型による類型化が広く流布すること自体が問題なのだ。なぜなら、先天的な属性である血液型という情報によって、偏見を助長するからだ。人の判断は、評価者による違いこそあれ、その人の資質・能力を判断すべきだ。友達選びにしても社員選びにしても同様だ。ところが、血液型による判断は、本人の努力や能力を無視する。これでは、正確な評価など望むべくもないのだ。以上の状況から不当な評価を受ける。
一般に、少数の人ほど不当な評価を受けやすい。そして、不当な評価によって差別され、嫌がらせを受けることが、ブラッド・ハラスメントなのだ。ちなみに、マス・メディアによる流布だけであれば占いなどについても同じことが言えるが、ブラハラに特有の事情が疑似科学である。不当な科学による裏づけが多数の人間に流布されると、少なくない人が判断を誤り、その正当性を確信する。そして、確信に基づいた嫌がらせが行われるのだ。ちなみに、Wikipediaによる説明では反証不可能性が疑似科学の例として示されているが、ブラハラの場合に問題となるのは手法の不正確性だ。Wikipediaの血液型性格分類の項も参考にするといいだろう。ちなみに、WikipediaのURLには日本語が含まれているので、未対応ブラウザでは見られないかもしれない。
つまりはこういうことだ。血液型性格診断は怪しい。なのに広まっている。そして弊害が多い。だから反対する。…明確ではないだろうか。
…日記を書いていて、過去の日記へのリンクを見てみた。すると、2002年12月29日の日記になんとも妙なことが書いてあった。我ながらくだらないことを書いているものだ…。とは言え、暴走族が崖から落ちて全滅すればいいという考えは今も変わっていない。ついでに言うと、彼らは珍走団と呼ぶのがふさわしいだろう。