謎は解いてもいけないし



Q.E.D.

2002年05月06日(月)


この色は私には御手洗色。

打倒ミタカフェの感想に

☆石岡君は、御手洗のことに関してはまちがえないです。
 逆に、御手洗の方は、石岡君のことに関してだけまちがえるのでしょう。☆

というのをいただきまして。
これ、この前がないとわからないのかな?
いや、きっとわかるよね。
で、あ、そうか!とかなんだかずいぶん今わたしのお気に入りフレーズ。
石岡君のことに関してだけ間違える御手洗って、好きだ……。
感想として貰ったものなのに、この考え気に入った!と思っているのです(笑)


さて本日、加藤元浩のQ.E.D.というコミック買いましてん。
ただいま12巻。これも推理ものですが、けっこう好き〜☆

ついでに(?)成り行きで「ピアス」(ボーイズ本)買いましてん。
日頃まあ、そういう話にしているわけですけど、
御手洗と石岡君を。
でもこのピアス。そのなかのnovelもコミックも守備範囲なんだけど、ビデオのカットはだめですね。本物をみたいわけじゃないから。
これを見たときに、いつもゆらぐんだよな〜……
じゃあ、見なきゃいいんだけど、現実ってこうなんだろうなあ。
書きながらいうのもなんですが、御手洗くんと石岡くんに、
こういうことを求めているわけではないんだな。




「refined taiste」

 どういうわけか御手洗の機嫌が良い。
 馬車道のアパートにぼくの原稿を取りに来た担当編集者と、驚くべき事にソファで向き合って会話している。「女性」の担当者とだ。
 長いすのほうに彼女は座り、向かってふたつある一人がけ用の椅子のひとつに御手洗が、もうひとつに僕が座っている。
 原稿ももう渡してしまったし、たしかに紅茶はいかがですかと煎れはしたが、まさかこんなにこのふたりで日常会話が進むとは思っていなくて、実際会話から外れているのは自分という摩訶不思議な状態だった。
 今日の主役はぼくじゃないのかな、と担当者を訝しんだが、彼女は御手洗に気後れもなく話している。彼女は美人である。若い。なぜ、ぼくの担当者になったのか解らない。
 もっとも今一番解らないのは、やけに機嫌がいい御手洗なんだが。
 ふたりはいま、どこかの国の貴重な動物について盛り上がっているようだった。ぼくは最初を聞いていなかったので、どれが主語だかわからなくて、さっきからずっと紅茶のカップを見つめているだけだ。
「で、御手洗さんのご趣味はなんですか?趣味はお持ちですか?」
 いきなり彼女が訊いた。
 ご趣味。御手洗の趣味。
 そういえば、なんだろう。
 ぼくは思わず御手洗の方を見た。いったいなんて答えるのだろう。音楽になるのかな?やれば趣味というよりプロみたいだけど。占星術……でも、ないだろう。いったい、どれが趣味になるんだろう?そういえば知らない。御手洗の「趣味」。
「僕の趣味ですか?ありますよ」
 少し節目で幸せそうに微笑む御手洗を見て、ぼくはびっくりした。
 いったい、どんな趣味があったんだろう?
 そんなに綺麗にきみが微笑うなんて。
「あら、どんなものですか?」
 ぼくだって知りたい。しかし、御手洗は微笑ってしばらく答えなかった。
「御手洗、早く言えよ」
 じれてぼくは言った。
 御手洗はぼくの顔を見て微妙な表情をした。そして、石岡君、お茶のおかわり、といきなりぶっきらぼうに言った。
「ええ? 今かい?」
「そう」
「いいよ、煎れるよ! でも答えは帰ってくるまで言うなよ」
 しぶしぶぼくは立ち上がった。
 しかし、案の定帰ってみればふたりで話は完結したらしい。
 ぼくの編集者は、にっこり笑って言った。
「それは上品なご趣味ですね!」
 いったい、どんなことを言ったのだろう。
「なんだよ、ぼくにも教えてくれてもいいだろう」
 どちらへともなく非難がましく言ったが、ふたりはちらと顔を見合わせて笑っている。
 いいさ、今度こっそり彼女に訊いてやる。
 しかし、御手洗に気に入られただけあって彼女の応対はそつが無く、ぼくはいまだに御手洗の趣味を聞き出せないでいる。


ちょんちょん。答えがあるようでないSS。
もちろん、Q.E.D.にはなってない(笑)



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sachi [MAIL]