謎は解いてもいけないし



想い出

2002年12月27日(金)



  小さな頃、平屋の家に住んでいた。
  家の前をちょっと出ると、舗装のない道で、その横には水田用の溝があった。
  ほんのちいさな水の流れの中に、フナもめだかもいた。
  細長い棒を水の中に刺しじぐざぐに魚を追った。
  かえるもかたつむりもいもむしもみんな手に届くところにいた。
  家の裏手も水田で、そばにはセリが生えていて、よく食卓にのった。
  かえるのたまごを取ってきて洗面器で孵し、いつのまにかおたまじゃくしが育ってしまっていなくなった。
  水田は秋になるとひろい遊び場になって、いまなら躓いて大けがでもしそうな稲の切り株の間を、チャンバラをしながら駆けた。
  春になると一面がれんげの色に変わった。
  まだ蒼い澄んだ湖があちこちにあり、森では秘密基地を作ることが出来た。
  夏の日差しのなかで蝉取りをして、すすきにまぎれて赤とんぼを眺めた。
  夢の中で出会う母はそんなころの母。


  「この砂漠の向こうに、エステーリアはもうないのだ」



  ミュージックステーションのスペシャルに
  平井堅が出たときに、ふと、思った。
  騎手の声はみな高い。
  体型が似ると声もかなり似ているとしたら
  御手洗の声ってこんな感じだろうか?



  明日から宇部です。
  よいおとしを。




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sachi [MAIL]