‖ねこねこ仔猫日記‖
2003年06月19日(木)
オリジ小説を載せてみたり
「じゃねぇーん。」
甘ったれた声で別れを告げる友人に花藤ミサキは手を振って応えた。
溜息を1つ。
真夏の暑さもようやく和らいできたところとはいえ、未だ駅構内は仕事帰りの人と比例するように湿気が充満している。
頬に張り付いた髪を掻き上げて、ミサキはホームへと降りた。
陽は既に落ち、青白く光る電灯には虫が集まっていた。
無言の人々に対し、その羽音が異様に騒がしい。
その虫たちの下にミサキは見知った姿を発見した。

神石トオル

同じクラスで、確かラグビー部。
ミサキの認識ではその程度の人物だった。
ラグビーという少々過激なスポーツをしているわりには気弱に笑う姿が印象に残っていた。
だが、背は高く、細身ながらに肉付きは良い。
ホームの端で一人、電灯の下で遠くを見つめる姿は映画のワンシーンを思わせる。
暗闇から発光体が現れ、大きな音を立てて電車がホームへと滑り込んだ。
扉が開き、人々がどっと降りてくる。
その顔に笑みはなく、どこか『DOLL』を思わせる。
『DOLL』とはここ、ジーン皇国が軍事用に開発した動物型兵器だ。初期は人を象ったまさに『人形』だったものが人道上・倫理上問題となり、動物型になったのだという。
実物はもう博物館にしかなく、ミサキも本で見たことがあるに留まっている。
金属で出来た、吸い込まれるような冷たい瞳。くたりと椅子に沈み込んだその姿は人間の死体のようで、初めて見た時ミサキは思わず本を落としそうになった記憶がある。
そんな人々を避けるようにミサキは車内へと乗り込んだ。
車内は混雑もせず、空いてもいない。
ミサキは座席の前に立ち、耳にイアーホンを取り付ける。
音楽がミサキの世界を満たし、現実を掻き消す。
嫌な気分…。感じながらもそれを止めようとは思えなかった。
外の暗闇を見つめる。ただ、ただ何も考えずに。
それがフツー。それが毎日のこと。そしてそれが何者かに邪魔された。
ミサキのスカートが突っ張っている。
その原因へとミサキは視線を落とした。目の前に座る少女。
隣に座る姉らしき人物が少女の手からミサキのスカートを放し、ミサキに小さく頭を下げた。
少女は自分が悪いことをした自覚もないのか、ミサキのことを見もしない。
否、何も見えてはいないかのように視線を空に漂わせているようだった。
──狂っている。
車内の吊り広告でも話題に上っている。この病。
病…そこまでのものなのかすら、未だはっきりとはされていなかった。
ただ、先程の少女のように突然、不審な行動をする人が街にぽつぽつと現れ始めている。
ウイルスだとか、流行病だとか。色々な噂が流れてはいるがその正体は全く公表されてはいなかった。
皇国が対応をしていないわけはないにも関わらず。
ジーン皇国は規律の厳しい国だ。問題が発生すれば即座に対処をする。それが売りである。
軍事力もかなりのものがあり、それによって平和を保っている。
突如、車両が大きく揺れた。
ミサキはとっさにその揺れの方へと視線を向ける。
外国人…?
揺れの原因は赤髪の少女と金髪の少年。
イアーホンをしているミサキにも聞こえるような大声で、異国語を話している。
彼らの影に神石トオルの姿があった。
彼らの言語がわからず、ただその迫力に押されておどおどとしている。
周りの人々はそれを助けようともせず、ただ奇異な彼らをじっと見ているだけだった。
そして、ミサキも。
イアーホンを外し、彼らの言葉を少しでも理解出来はしないかと試みる。それだけだった。止めに行く勇気も、そうして良いのかすらわからず、ただ見ていた。
情けない。そう思っても、人がやっかい事への介入を避けるのは当然の行動だ。ミサキはそう自身に言い聞かせ、納得させる。仕方がない、仕方がないことだと。
外国人の二人組は神石トオルへ詰め寄るのを止め、人混みを掻き分けてミサキの方へと駆けて来た。

「あそこになら、武器あるだろ。」
「そーだね。少しくらいやんないとわかんないだろうし。」

ミサキにもわかるジーン語で彼らは会話を交わしながら、ミサキの脇をすり抜けていく。
「…やる?」
疑問がミサキの口をついた。
少女がちらりとミサキに視線を残し、車両を移っていく。
不味かっただろうか。そう考える間もなく、神石トオルのことが気にかかり、ミサキは視線を元へと戻した。
神石トオルは2人の男に支えられて、立っていた。
否、立たされていた。
殴られたのだろうか、くにゃりと頭を落として。
支える男は茶金髪にサングラスの大柄と帽子を目深に被った細身の男。
そしてその異様な3人は人混みに紛れ、ミサキには見えなくなった。
そのまま、ミサキが降りる駅へと電車が停車する。
彼らが、神石トオルが気にかかりつつも、ミサキはいつも通りに電車を降りた。
また、少年と少女がミサキの脇を駆けていった。3人が消えた方へと。
彼らを追うように視線を走らせると、居た。
2人の男と神石トオル。




部誌用に執筆中。
これを完成させた奴を提出して、きっぱり止めるつもり。
部長候補なんて言わないで……涙。


此処数日、拒食気味です。
いや、食べてる。食べてるはず。お腹も空いてる。
でも、食べていない気がする。偏食気味もあるからか。
本日食べた物
朝食兼昼食におにぎり一個。
おやつ代わりにサンドウィッチ半分
(パン2枚にバター塗ってチーズとベーコン挟んだもの)
夕飯にみそ汁一杯
さっき、クッキー2枚

野菜がない…ビタミン剤でも飲んでおきます。

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今日はコンタクトの一週間後検診。

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