毒茄子
レガお君



 臨床と教員が学生から学ぶ事

ケース実習の最終日。

学生にしたら泣いても笑っても
1年にわたる実習の締めくくりで
うちの学校の実習衣を着るのも今日で最後。
週の初めからみんなで
写真とったりしてたけど
今日はさすがに感慨深いのか
昼休みのバカ騒ぎもなく何だかしみじみ。

時々誰かが「あー、終わりやねんなぁ」
といって別の誰かが「ほんまやー」と返事して
暫くみんな黙っててまた急に
「うわーマジ終わりやー」の繰り返し。
彼女たちにしたら「終わり」なのは
今年の実習だけじゃなく
准看学校からの長い道のりを指してのこと。
だから響きも重い。

私も5月から一緒に実習やってきて
本当に終わりまでやってきた。
見よう見真似の連続だったけど
何とかなってるみたい。
5月の一番最初の実習だった学生が
今回も一緒なんだけど
その学生の成長の度合いと言ったら
もう、感動の一言。

私はもちろん、彼女の周りの学生も
彼女自身も自分が成長した事をよくわかってる。
各病棟順番に病棟スタッフを交えて
シメのカンファレンスをやるんだけど
それぞれの場所で学生が取り組んだ試みが
病棟のスタッフにも影響を与えたという。

どちらかと言わなくても
年齢層の高いスタッフの集団に
学生が持ち込んだヘルスカウンセリングの技法や
患者の自己決定を支えるスタンスと言うのは
はじめは理解しがたいものであったらしいけど
学生が関わりを続けて、その効果が見えるにつれ
スタッフの意識も少しずつ変わってるらしい。

これぞ実習生を受け入れるにあたってのメリット。
学生指導は決して一方的なものじゃなくて
病棟が学生から刺激を受ける事も
本当はたくさんあるはず。
そうやってお互い成長していったらいいんだから。

病棟スタッフの中には
「学生のやってる事が何で必要なのかわからない。
今までの方法でどうしてダメなのか。
看護の本質はそうそう変わるもんじゃないんだから
学校のカリキュラムが変わっていくこと自体
私には理解できない」という人もいたりする。

確かに「ケア」という本質は変わらないけど
社会の変化に伴って看護も方法論や
考え方はどんどん変わってきてる。
新しい考えも古いのはダメと言ってるんじゃなくて
「よりよい方向に」というスタンスであるはず。
世の中はベストとワーストだけではないんだから。

学生はみんな今回の実習を「楽しかった」
と言ってくれて私にしたらそれが何より嬉しいし
病棟にも最高のフィードバックになる。
どちらかといえば「また学生がきて、ややこしい」
と思われがちだけど
本当ならこういう「楽しかった」という
プラスのフィードバックがきちんと出れば
もうちょっと考え方も変わるんじゃないかな?

私も今回の実習はとても印象的で
学生が主体的に動くというのを大切にして
学生が何をやりたいのかをしっかり把握したら
後は方向性を見失わないように
思考を整理するのを手伝う事と
これでいいのかと迷う学生が
自分のやりたいことをやれるよう
情緒的に支える事だけを一生懸命やったつもり。
いい形で締めくくれてよかった。

やっぱ、実習指導ってステキ。
色んな人が関わる分、気も使うし難しいけど
その成果といったら劇的。
刻々と変わっていく学生と患者さんを見てたら
発見も感動も本当に盛りだくさん。

教員になってよかったなぁと。

2003年11月21日(金)
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