毒茄子
レガお君



 臨床家のお通夜

ワームは飛んで来なくなった。

最近、お気に入りの日記が続けて消える。
毎日楽しみにしてたのに。
新聞読むみたいに日課になってたから
Myエンピツリストに出ないのが
変な感じというか喪失感。

今日は古巣の先輩とご飯。
私が教員になる時に
お互い畑は違っても頑張ろうと
励ましあった仲。
私にしたら彼女ほど
臨床を活き活きと語る人を見た事ない。
彼女にしたら私は臨床の外から
ちょっと違った視点でモノを見てて
臨床をとりまく世界を見せてくれる。

先輩は臨床に残った自分の
存在意義を示すかのように
毎日の出来事を語る。
私は私で負けじと
教育の面白さや深さを語る。
自分の臨床実践を意味づけて
相手に伝わるように語れる彼女は
私にしたら学生に見せたい茄子NO1。

彼女はしばらく関わってた患者さんが
今日亡くなったばかりで
今までを振り返りながら
色んな話をしてくれた。
その患者さんを看取る中で感じたり
学んだことを一つ一つ丁寧に話して
亡くなった患者さんの事を思い出して
自分の実践を振り返ってる。
実践の知って
こうやって深まるんだろうか。

家族や親類が集まって
お通夜で死者の思い出を振り返るように
ケアを提供した者も
亡くなった人を振り返って色々考える。
心をこめてケアした対象を失って
喪失感を味わうのは医療者も同じで
私が話を聞くことで
その悲しさや寂しさ、喪失感を
うまく乗り越えられたらいいなと思う。

悔しいけど彼女の話を聞いてたら
その時は臨床に帰りたくなってしまう私。
このままずっと私は
教員をやって行くんだろうか?
と先を色々考える。
彼女は彼女で私に触発されてる事はあって
学会やセミナーへ行く回数は増えた。

時々一緒にごはん食べて話すのは
患者さんの話や新人教育や
人事、管理的な内容まで
もう臨床まるごと全部。
しかもそこに仕事以外の話が
ほとんどはさまらない3時間。
ちょっと異常だけど
二人ともそれぐらい自分の仕事が好き。

こうやって話してると
「結婚してしばらく働いて
お金貯めて子ども産んで引退」という
ここ最近目論んでた将来が
全く違うものに塗り替えられる。
以前からあった
バリバリと仕事を続けて
あれもしたいこれもしたいという
欲張りな気分になる。

毎日毎日自分は何がしたくて
何が楽しくて働いてるのか
何を大切に生きていくのか
それを自分に問いながら
その積み重ねが将来を決めるんだろう。

洗濯機で悩んでる場合じゃない。


2004年06月24日(木)
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