毒茄子
レガお君



 私は戻りたくない

世間は終業式。

ふつーの学校の夏休みは
教員も休むらしく高校教師も然り。
が、私たちは全然普通に出勤で
夏休みにしか出来ない仕事が山盛り。
会議も講義の準備も実習の評価も
夏にやらねばいつ出来る?

今日は臨床に出張してる教員に
用事があって古巣病棟に電話する。
で、一緒に仕事してた子が電話に出て
教員を探してくれるんだけど
見つからない。しょうがないので
「この電話を○○病棟に
転送してくれる?」ってお願いしたら
「え?そんなのできるんですか?」って。
おーい、リーダーやってて
院内転送知らないってぇ〜。

怒ってもしょうがないので
「1回フックして○番押したら
交換につながるから回してもらって」
とお伝えする。
外部の人に電話の転送教えてもらって
どーすんねん。

帰りの電車で私立の中学生が
お互いの成績表を見せ合ってる。
お互い結構マジな顔だから面白いんだけど
本人たちにしたら真剣かも。
となりに座ってる先輩と
彼らの動作に勝手に台詞をつける。

「うわー。夏期講習どうしよー」
「3者面談ヤバイよなー」
「志望高校変えなあかんかなー」
「おかんとおとんどっちに先見せよう」
「これやったらご褒美の携帯電話も
買ってもらわれへんわー」
と勝手かつリアルなやりとりで
楽しんでみる。

オトナにしたら中学生なんて
「まだ夢もあっていいなぁ」って
思う人が多いらしいけど
私にしたらもう
あんな宙ぶらりんな時期に戻りたくない。

うちの学生たちも国試や就職試験に向けて
色々やり始めてる。
それを見て「夢も希望も溢れてる感じで
うらやましいわねぇ。あの頃に
戻ってみたいわ」って言う人もいるけど
私はそうは思わない。
居場所が定まらないのって不安だらけで
なんともいえない気分。

現実には夢も希望もない学生もいるし
これからやりたいことだらけの
定年退職者もいる。
自分で先を諦めたら終わりなのに。
戻りたいとか、やり直したいなんて
思いながら毎日過ごすのは楽しくない。

楽しく歳をとろう。

2004年07月20日(火)
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