毒茄子
レガお君



 ママは夜遊び

立秋。

独身最後の週末は夜遊び。
とっくに結婚して出産した友達と
女3人で久々に三宮で飲む。
私はどこでもよかったんだけど
毎日子育てに追われてる二人は
「そらぁ飲むんやったら三宮」
という事で非日常を夢見る。
他人は花火大会で海へ向かうけど
私たちは山の手へ。

かつては毎週三宮で遊んでた母2人。
今日はこどもを実家に預けて
「ママお仕事」はいいとして
「ママ歯医者」とかワケわかんない理由で
子は「ばぁばと留守番」っておりこうに
いつものお返事で出かけてきたらしい。

二人ともこどもが色々喋りだして
自分の口真似をする。
真似するのは「ああそうなん」「ふぅん」
という他愛もない相槌から
受話器を取ったらまず「ごはんないで」
という笑えないものまで。
子は母の背中をみて育つ。

二人ともダンナはやきもち焼きで
昔なら三宮へ行くと言ったら
1時間おきに電話がかかったり
「男とおるんちゃうやろなー」と
余計な詮索がしつこかったりしたのに
今日は「もう3人ともオバハンやから
ナンパの心配もないなぁ」と
聞き捨てならないコメントだったらしい。

もともと独身時代から
いつもキレイにしてた二人。
少々ブランクがあったところで
ちゃんと化粧してそれなりのカッコだと
おおよそ子持ちには見えない。
一人は何気にマリッジリングを
外して出かけようとして
ダンナに文句を言われたらしい。
ちゃんと、そういうとこ見てるのね。

「ナンパの心配はない」と言いながら
結局たびたび電話してくるダンナ1。
「仕事終わったら合流するわ」と
あからさまなけん制をかけるダンナ2。
ふたりとも馴れ初めはほぼナンパだったし
心配なのがひしひしと伝わってくる。

あっさりとおいしい和食の店で
開店からラストオーダーまで居座る。
そこから2軒めへ行ってさらに飲む。
花火の日だけあって
飲み屋は空いてて嬉しい。
結局ダラダラ飲んで
ベロベロに酔っ払って
終電の中でも騒がしく過ごす。

確かに結婚して子どもがいる状態で
終電まで遊ぶってなかなか難しい。
昔は朝まで遊んでた彼女たちも
途中で子どもが寝たかどうか
実家に電話で確認したりしてる。

そんな二人に「落ち着いたな」
と言われた私。
昨日片方のダンナと駅で偶然会って
車で家まで送ってもらったけど
そのときのダンナの感想も
「レガおちゃんに久々に会ったけど
めっちゃ落ち着いて
キャピキャピさは消えてたわ」
というモノだったらしい。

職場の年齢層もさることながら
やっぱり結婚するとなったら
そんなもんなんだろうか。
結婚してもキャピキャピな人はいる。
「落ち着きたい」と思って結婚する私は
まぁそれでいいのかなぁとも思うけど
「落ち着く」と「老ける」を
履き違えないようにだけしないと。

ダンナ連中がしつこく警戒したナンパは
寄ってきたのはカラオケの呼び込みだけ。
「土曜はカップルだらけで
あまりナンパという雰囲気でもない。
遊ぶなら金曜よな」というママ二人。

負け惜しみと真実が交錯する。




2004年08月07日(土)
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