我が家には日本の神様について書かれた本があります。
もともとは相方が買ってきたものなのですが。
本に関してはジャイアン理論を突き通す私(というか、ちゃっかり読んでいるだけの話)なので、しばらく読んでました。
さりげなくグロいです。でもって生々しい。
例えば七福神で有名なえびす様。
本名は蛭子命(ひるこのみこと)と言うのですが。
生まれた当初は体が不自由だという理由から、葦船に乗せられ、海に捨てちゃったというんです。
今でいうとこの、育児放棄された子ども。
その後は漂着した海辺の国で大事に育てられ、戎(えびす)という名前をもらったということです。
今では幸福や商売の神様と思われがちですが、もともとは海の神でもありました。
玉依姫命(たまよりひめのみこと)のお話。
彼女もまた、海の神とも呼ばれていますが。
姉に代わって甥を育て、果てはその甥の妻となって子供を産んだそうです。
今でいう姉さん女房、しかも近親婚ときたものだ。
ちなみに玉依姫命の第四子は初代天皇と言われる神武天皇とのこと。
はたして玉依姫命は実在していたのか……謎な神様です。
食物神である保食神(うけもちのかみ)のお話はもっとグロいです。
保食神は実はえびすさん(蛭子命)の妹にあたります。
「日本書紀」によると、
『彼女は自分を訪ねてきた別の神様のことを心から喜んで、自分の口から大地に向かってご飯を出し、海に向かって大小の魚を、山に向かっていろいろな獣を吐き出し、それを豪勢に机の上に盛り上げてもてなしたという』
まぁブラックホールなお口をもつ娘さんだったわけです。
おかげで訪ねてきた神様に「こんなもの食えるかぁ」とどなられ、斬り殺されてしまいました。
その後、彼女の死体の頭頂から牛馬、額に粟(あわ)、眉の上に蚕、目の中に稗(ひえ)、腹の中に稲……と、いろんなものが出てきたそうな。
食事中には思い出したくない話ですね。忘れてください。
それにしても、日本の神話ってのは見方を変えれば怪談話に近いものがあるなあと思いました。
昔の人は神を崇めると同時に畏れていたともいいますが。
こういった話を小さい頃から聞かされたら、そりゃあそうなるよなぁ……
妙に納得してしまいましたよ。