+ BLUE Diary +
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雨は降り続く。 濡れたアスファルトからはもう、雨の匂いはしなかった。
夜は優しい、っていう意見に100%賛成。 朝よ、来ないでくれ、と眠りについて、朝が来るたびに絶望する。 最近は夜が好きすぎて眠れなくなった。 新聞配達のバイクの音を聞いて、絶望、する。 最近本気で、なんで朝なんか来るのかと不思議でならない。 って、友達と思しきひとに言ってみたら「何か嫌なことがあったの?」って真剣な顔して聞き返された。
「なんもないよ、冗談。朝が来なきゃこまるじゃーん」 って返したら、 「なんだびっくりした脅かさないでよー、あはは」 と笑われたので、 「冗談に決まってるじゃんやだなーあはは」 と一緒に笑っておいた。 家に帰ってから、携帯電話のそのひとのメモリーをごっそり捨てた。
さいきんの自分は、ちょっと、おかしいと、おもう。
「人間には二種類あってね、」 母親にばれたらまた小言を言われるだろうな、と思いながらも、夜更けに散歩に出る。 ひとりで暮らしているのがいいことなのか悪いことなのか、もうよくわからなくなってきた。
なににしがみついていきたらいいの?
いっそ朝が来る前に消えてみたかったけど、そんなことする元気もなかった。 「夜になるのが嫌なひとと、朝が来るのが嫌なひとがいるらしいよ」 暗闇に慣れた目を刺すように明るい自動販売機で紅茶を買って、手の中でころころ転がしながら街灯のないポケットパークでぼんやりするのが最近の日課。 朝が嫌すぎて外出を全くしなくなって、なんだか本格的にまずいような気がしてはじめた深夜の散歩だけど、こんな夜中に出歩いてみたところで大して今の状態のテコ入れにはならないだろう。 現に今だって、ベンチの下で寝ていた猫に話し掛けているという端から見たら危ない人っぽい状況なわけだし。 しかも、雨、降ってるのに。
助けて、って三回言ってみたけど、何にも変わらなかった。 だれかたすけて、って五回言ってみたけど、誰も出て来てくれなかった。 誰にも会いたくなかったけど、誰かにそばにいてほしかった。
じぶんで、どうにかしなきゃ、って、わかってるけど
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