「 人に盗み心があるとしたら、ゴルフによってそれが表面化する 」
ポール・ギャリコ ( アメリカの小説家 )
If there is any larceny in a man, golf will bring it out.
Paul Gallico
ゴルフ に関する名言は、シニカル な内容のものが多い。
これは、『 ポセイドンアドベンチャー 』 の作者、ポール・ギャリコ の言葉。
私が初めて クラブ を握ったのは中学二年生の夏で、当時、ゴルフ を始めた父が、自分のを買うついでに、兄貴と私にも ハーフセット を買い与えた。
以来、何度か週末に近所の練習場へ通い、たった一度だけ、三人でコースも回ったのだが、皆、他にやることも多かったので、それっきりだった。
次に クラブ を手にしたのは、最初に入った商社の コンペ で、その成績が散々だったことから、またしばらく ゴルフ から遠ざかることになった。
もっとも盛んに励んだのは、20代の後半から35歳ぐらいまでだが、趣味というよりは 「 付き合い 」 の一環だったので、さほど深入りはしなかった。
嫌いなわけでもないが、特に好きでもなく、たとえば、学生時代の仲間らが集まって コンペ をするとか、「 きっかけ 」 が無いとやる気が起こらない。
若い頃、上級者に 「 ゴルフが上手くなるには、どうすればよいか 」 と尋ねたら、「 週に3回 コース を回れば、誰でも上達する 」 と教えられた。
その人が言うには、「 ゴルフ は人に教わるのでなく、自分で体得するもの 」 らしく、他人に学ぶ機会があるならば、「 真似て盗む 」 ほうがよいらしい。
当時は今より費用が掛かったし、収入の少ない身だったうえ、ゴルフ への思い入れも強くなかったので、その言葉を聞いて、さっさと上達は諦めた。
知人の中には、ゴルフ が大好きで、そこそこの資産を溜めた段階で一線を退き、シニアツアー への参加を目指して猛練習に励む人もいる。
他の趣味や娯楽と同じで、こればかりは、深みにはまっている人の気持ちなんて、そうじゃない人間に理解できるものではないのだろう。
防衛省前事務次官の 守屋 武昌 氏 が証人喚問に応じ、5年間で100回を越える ゴルフ接待 を、関係の深い専門商社から受けていたと認めた。
これは省内の内規に反するし、収賄の可能性もあり、許されざる行為としか言いようがないけれど、それにしても、ずいぶんな ゴルフ好き である。
稀に奥さんも同行したらしいが、飽き性の私としては、毎回、同じメンバーで頻繁にプレーを重ね、よく飽きないものだなぁと感心してしまう。
また、どんなに重要な取引先だとしても、それほどまでに接待をさせる技術というのは、実に興味深いものがある。
ゴルフ の腕前は知らないが、「 人に奢ってもらう技術 」 は間違いなく卓越しているはずで、人に奢らせる 「 ハウツー本 」 でも出せば売れるだろう。
私自身も、仕事の関係から接待をすることが多く、国会で追及されるほどの規模ではないが、日常的に取引先と飲食を共にしている。
それで受注を増やそうとか、取引条件を優位にしようといった魂胆なども、まったくないわけではないが、私が接待をする目的は別のところにある。
接待に誘うと、相手の 「 お金に対する倫理 」 が見えてくるもので、お金に対して潔癖な人もいれば、ずいぶん汚い人もいることがよくわかる。
たとえ小額でも、必ず自己負担を申し出る人がいる一方で、恥ずかしげも無く、あからさまに高額の要求を強いてくる御仁もいて面白い。
そういう人と商売をしても、きっと、満足な成果は得られないので、たらふく飲ませておいて、契約の段階では 「 こちらから断る 」 ようにしている。
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