Tonight 今夜の気分
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2008年02月21日(木) 自殺する人は単純に 「 頭が悪いだけ 」 という説



「 単なる無知よりも “ 無知であることへの無知 ” こそが、

  知識の死である 」

     アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド ( イギリスの数学者、哲学者 )

Not ignorance, but ignorance of ignorance, is the death of knowledge.

                           Alfred North Whitehead



クライアントの若手社員が、昨夜、40分間も電車に閉じ込められたらしい。

たった一人が飛び込み自殺をすることで、多くの貴重な時間が失われる。


( 自殺者の多い国 : 男性 * 数字は10万人あたりの自殺者数 )  
 1位 リトアニア  70.1    
 2位 ベラルーシ  63.3    
 3位 ロシア    61.6    
 4位 カザフスタン 51.0    
 5位 ハンガリー  44.9
 6位 スリランカ  44.6    
 7位 ラトビア   42.9    
 8位 ガイアナ   42.5
 9位 スロベニア  37.9    
10位 日本     35.6   

( 自殺者の多い国 : 女性 * 数字は10万人あたりの自殺者数 )
 1位 スリランカ  16.8
 2位 韓国     15.0
 3位 中国     14.8
 4位 リトアニア  14.0
 5位 スロベニア  13.9
 6位 日本     12.8
 7位 ガイアナ   12.1
 8位 ハンガリー  12.0
 9位 ベルギー   11.4
10位 スイス    11.3


この表は、WHO ( 世界保健機構 ) が2007年度に発表したランキングで、年間3万人以上の自殺者を出している日本は、男女ともに順位が高い。

世界では、男性のほうが女性より2倍以上も自殺者の数が多く、旧ソ連や東欧の北国に、自殺者が多いという現象が明らかにされている。

よく、「 人はなぜ自殺をするのか 」 という哲学的な議論を耳にするのだが、ある人は 「 政治が悪い 」 と言い、別のある人は 「 環境が悪い 」 と話す。

しかし、この表をみるかぎりでは、明らかに政情の不安定な国が上位に無いため、「 政治が悪い 」 という説は、信憑性に欠けるようだ。

日本以上に男女とも上位につけている リトアニア は、緑豊かで、人の穏やかな国として知られているし、「 環境が悪い 」 という説も怪しい。


ランキングをみるかぎり、自然の豊かさとか、経済や産業の発展度といった観点の整合性はなく、先進国が高いとか、後進国が高いという傾向もない。

自殺者の90%に 「 精神疾患があった 」 という統計から、ランキング上位の国々が抱える 「 精神病患者数 」 に関連が深いという説もある。

たしかに、日本は 「 精神病大国 」 と呼ばれるほど患者数が多いけれど、他の上位国が “ そうでもない ” ため、これも決定的な根拠とはいえない。

そうなると、複雑に入り組んだ 「 複合的要因 」 によるという説が浮上するわけで、決定的な原因が特定できないため、対策も曖昧なものとなる。

ところが、先日、ある動物学者の本を読んでいると、「 自殺の原因は、巷で語られているような “ 複雑なもの ” ではない 」 という説が書かれていた。


その学者によると、「 自殺を図る人は、単純に “ 頭が悪い ” だけです 」 という説で、それは、「 生き物の歩んできた歴史 」 をみればわかるそうだ。

人間も含めた生物全般にとって “ 頭の良さ ” とは何かというと、すなわち 「 生きるための知恵 」 であり、それは進化の過程をみれば明らかである。

絶滅を免れるため、ある生物は体毛を濃くして氷河期に耐え、ある生物は外敵から身を守るために翼を得たり、高い木の上で生活するようになった。

天敵から捕食されないように、硬い殻や棘を得た生物もいる反面、自然に順応する進化を遂げない代わりに、道具を使うようになった人間もいる。

そのすべてに共通しているのは、絶滅を防いで、生き残る知恵を学んだ者こそ賢く、そうでない者は、淘汰されてきたという 「 歴史の真実 」 である。


単純明快すぎて、にわかには納得し難い人もいるだろうが、「 頭の良さ 」 という尺度に対する先入観を捨てれば、この説には説得力がある。

先日、30年間も地獄のような 「 タダ働き 」 を強いられていた知覚障害者がいるとの報道を目にしたが、彼らは絶望に耐え、健気に生き続けてきた。

かたや、両親から大事に育てられ、名のある大学を出て上場企業に入ったものの、仕事が面白くないとか、些細な理由で簡単に自殺する者もいる。

線路に飛び込んで電車を止めるのは、こういった 「 自分が バカ なのだと気付かない バカ 」 であり、それこそが、はた迷惑な存在なのである。

純文学を読み、クラシックを聴いていれば教養があり、漫画を読み、ヒップホップを聴いていれば バカ だというのは、単なる思い込みに過ぎない。


毎日、多くのビジネスマンに会い、色々な相談事、悩み事を受けるのだが、「 頭は良いはずなのに、仕事が上手くいかないんです 」 と話す人が多い。

おそらくは、高学歴を根拠に 「 頭は良いはずなのに 」 と話すのだろうが、適性検査を施すと 「 抑うつ状態 」 にあり、精神科に通院中の人もいる。

精神病の場合、患者の ショック を和らげるために “ 心の病気 ” と呼んだりもするが、本来、心が病気になるわけでなく、それは “ 脳の病気 ” だ。

いくら知識や教養があっても、“ 脳が病気 ” なのに 「 頭が良い 」 とは言えないわけで、むしろ 「 上手くいかないのは、脳に問題あり 」 なのである。

もちろん、ストレートに 「 あなたは頭が悪いから ダメ です 」 とは言わないが、少しづつ、価値観や、知恵の使い方を軌道修正させる方策をとる。


過去に何度か 「 自殺について 」 の日記を書いているが、度々、自殺者に厳しいとか、精神障害者、人格障害者に偏見が強いという指摘を受ける。

しかしながら、仕事の性格上、数多くの 「 問題を抱える人たち 」 に対峙する中で、いまのところ、その “ 厳しさ ” は功を奏しているという自信がある。

逆に、「 理解 」 という名の “ 特別扱い ” により、「 あら可哀想、大変ねぇ 」 と甘やかす世間の風潮こそ、彼らを 「 死 」 に陥らせるのではないか。

日本全国で大々的に、「 自殺は バカ のすることで、チョー格好悪い! 」 というキャンペーンを張り、頭の良さ、賢さとは何かを、問うべきだと思う。

実際、事故で四肢を失くしたり、誰もが憐れむ不幸を背負った人ほど健気に生き、自殺する人は概ね、アホ みたいな理由で死んでいるのである。






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