| 2008年09月10日(水) |
北朝鮮 : 金 正日 の後継者は誰か |
「 子供たちに何ができるのか知りたければ、彼らに物を与えるのを
やめるべきだ 」
ノーマン・ダグラス ( イギリスの作家 )
If you want to see what children can do, you must stop giving them things.
Norman Douglas
最近の親御さんには、過保護と、育児放棄の 「 両極端 」 が増えている。
どちらも、子供にとっては不幸でしかない。
ある程度の年齢までは十分な愛情を注ぎ、その一方、なるべく早い時期に独立 ( 親離れ ) を助けることが、理想的な親の姿ではないだろうか。
社会人として一人立ちできない ニート の大半は、基礎的生活条件を親に依存している 「 パラサイト・シングル 」 で、いわば “ 親の責任 ” でもある。
どの親も “ 甘やかせ過ぎてはいけない ” と頭では理解しながら、我が子が悩んだり、苦労する姿を見たくないあまり、つい、過保護に陥りやすい。
家に引きこもる ニート は、世間に直接的な害を与えないけれど、もっと困るのは、一般社会で通用しない子供が 「 世襲 」 で トップ に座ることだ。
同族企業に勤める人の多くが、世襲で トップ に就いた 「 無能な二代目 」 に苦労しており、それは、組織のモチベーションを著しく低下させている。
1974年、北朝鮮の 金 日成 主席 ( 当時 ) は、息子の 金 正日 を後継者に決定したが、これに最も不快感を示したのは 「 中国 」 だった。
なぜなら、「 社会主義には、世襲はない 」 ことが原則であり、それを認めてしまうと、社会主義という思想が、独裁国家の代名詞になりかねない。
事実、中国では国家主席の息子であろうとも、世襲で ポスト を引き継いだ例はなく、もし、実行していれば、国民の信頼を一気に失っていただろう。
北朝鮮が後継者を決める際に、中国の了解を得る必要はないが、中国の機嫌を損ね、援助と支援を打ち切られれば、北朝鮮の存続は危うい。
最終的には、当時の中国指導者 �� 小平 が、北朝鮮は社会主義国であると同時に儒教国家だから、「 一回だけ 」 という条件で世襲を認めた。
北朝鮮が 1980年までの 6年間、金 正日 総書記 の世襲を公表しなかったのも、中国が世襲制度に対して、公には合意しなかったことによる。
当時の “ 約束 ” を守り、中国との対立を避けるためには、今後、北朝鮮が 「 二度目 」 の世襲を行うことは難しい。
このところ、金 正日 の重病説が報じられ、後継者問題についても取りざたされているが、そうした理由から、息子への世襲は無いという説がある。
逆に、たとえ中国を敵に回しても世襲を実行しないと、自分の死後、国内で猛烈な 「 金 正日 批判 」 が起き、個人崇拝が崩れ去る危険もある。
それは、金 正日 や、その側近たちが最も恐れていることなので、次の世襲が北朝鮮の崩壊に結びつくとしても、実行される可能性は否定できない。
旧ソ連では スターリン の死後に、中国では 毛 沢東 の死後に、かつての指導者に対する批判の声が上がり、少しづつ 「 開放政策 」 が進んだ。
仮に、金 正日 の後継者が世襲でなくなれば、新しい指導者は、旧体制を批判することもできるし、面子よりも、実利を優先する可能性が高い。
そうなると、日本にとっても、拉致問題解決が急速に進展する好機となり、核開発などの安全保障に関しても、今よりは展望が開ける。
もし本当に、金 正日 が生命の危機にあるのなら、中国を通じて、後継者の世襲を止めさせることが、日本の国益にとっても プラス に働くだろう。
それに、どう考えても 「 独裁者の跡取り 」 が有能な人格者に育っているとは思えないので、北朝鮮の後継者選びは、とても重要な問題なのである。
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