○プラシーヴォ○
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2003年11月15日(土) 覚えてた

2週間強ぶりに
ハム男と休みが一致した


どこへ行こう?
と悩んだ末


箕面へ紅葉狩りへ行くことにした



箕面の滝は一度行ったことがあるし、
土日祝日は箕面の滝に行く道が
封鎖されている部分もあって行きにくいので

勝尾寺という、大きなお寺に行くことにした




紅葉が、まだなのか
すでに終わってしまったのか
微妙なコントラストの風景だった



門をくぐり、階段をてくてく歩いて上がると
景色がバアッと開けて
象徴的な、大きな仏様の像があった




それは、水子や死んだペットやらを
供養するためのものらしい


結構人が大勢つめかけているのが不思議だった



それを、じいっと見つめるハム男をひっぱって
私はさっさとさらに上を目指して歩いた



しばらく歩いていると
雰囲気のある道があり、それにしたがって降りていると
また再び、さっきの仏像のところへ戻ってきてしまった



じゃあ、このまま下山しようと
歩き出す私をよそに
ハム男が、

仏像の前においてある賽銭箱にお金をいれ、
ろうそくと線香を見ていた



私も、黙ってお金を入れて
線香を手に取る


ハム男のライターで火をつけて
ろうそくも立てて


仏像に水をかけて
ハム男が深々と手を合わせている





それを見て
涙が出そうになる



うまくいえないんだけど

ハム男がこういうことをする人だと思わなくて
もう私が堕胎したことなんて
忘れてしまったんじゃないかと思ってて

ハム男が進んで
手を合わせるなんて
本当に衝撃的で

ああ、私はこの人と
一緒にいれてよかったと
思った



家に戻って
何度もキスをして



本当に幸せだと思った




「ハム男、どうして外では手を繋いでくれないの?」



死ぬほど勇気をふりしぼって聞いてみた



「え?
 俺、手を繋いでないか?

 ああ、そんなの考えたこともなかった・・・

 ごめんな、よし、手を繋ごう」




慌てて私の手を強く握って、
私の人差し指を軽く噛むハム男



「またダメ出し?」


と、うっとおしがられると思ってたのに

意外な行動に
また胸がうずく




がちゃ子 |偽写bbs

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