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■ 生きてるって奇跡
公道走ること3年。 ズっこけたり車と衝突したり、危ない目には何度となく遭ってきた。 自分の身ひとつバイクに跨ってるんだから、しょうがない。 でも被害者はどっちかと言われればそれはたいてい僕の方であり、怖いもの知らずのヒーローぶってたところもあったんだろう。 今日は、自分が加害者という立場に初めて立った。
午後9時半ごろ、国体道路、天神から六本松方面へ向かう途中、両側2車線、視界は開けてた。 道路を横断してる自転車がいて、もちろん横断歩道も何もないとこなんだけど、俺はしっかり前方を見てたはずで、意識だってはっきりしてた。 でも気付いたら、なんでかすぐ目の前にヘッドライトに照らされた自転車があって、俺がそれを確認したときにはもうどうしようもなかった。 空から降ってきたの? タイムマシーンでも使ったの? ブレーキをかけたかどうかも分からない。 目を開けたときには俺は道路脇でバイクの下敷きになってて、人が駆け寄ってきて、心臓の鼓動は速かったけどなぜかわりと冷静だった。 運ばれる前に少しだけ相手方の人を見たんだけど、額の傷のせいで顔が血だらけだった。
幸い僕は外傷だけの怪我で済み、病院で簡単に治療してもらい、現場に戻って警察同伴の実地検証も済んだ。 バイクはまぁ、エンジンぴんぴん動くし、いろいろひん曲がったりはしてるけど、相当ムリすれば乗れないこともない。 実際、今日の手続き全部終わったあと、相手方の運ばれた病院までひーこら運転していった。
相手の人は、単純骨折と、あとは額の傷を縫うくらいの処置だったそうだ。 面会を拒絶されたので、詳しくは分からない。 ブレーキかけて直前で止まるとかそんなレベルの距離でもスピードでもなかったし、体感、かなりの勢いで衝突した。 これからの自分の身の振り方の覚悟はまったくできなかったが、でも、事実を受け入れる覚悟だけはなんとかできていた。 相手はもちろん俺だって、死んでたって何の不思議もないような事故の様に思えた。
不思議だ。 きっと、お互いの色んな偶然が重なって、たまたまあの時間にたまたまあの場所であの事故が起きてしまったんだろう。 信号ひとつ掴まってれば、ぶつかることもなかった。 そしてまた、色んな偶然が、色んな奇跡が重なって、不幸中の幸いであるにしろあの人は今自分の足で立ち、自分の目で見、自分の頭で考えることができる。 僕だってそうだ。 今、僕はここに、こうやってぴんぴんしてる。
後日出頭、どんなものかは分からないけど行政処分も下るだろう。 でも僕は今、何も後悔していない。 感謝の気持ちでいっぱいだ。
お互いの身が大事なことにならなくて、ほんとうによかったと思っている。
2005年05月10日(火)
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