2002年03月16日(土) |
続 ビューティフル・マインド |
ネタばれなくて感想なんて書くことはできないのかもと思ってきた。
この映画を見て、色々なことに興味を引かれた。そこで色々と調べてみたりしたことがある。
まず精神分裂病というのは一体どういうものなのか?ということ。 映画の中では幻覚として3人の人物が出てくる。本当にそうなのだろうか?と思ったわけだ。 調べてみると確かにそういう症状があるらしい。 そして、前に新聞でも読んだけど、この分裂病という呼び方はおかしいということで、これから総合失調症だったかな? そういう呼び名に変えていくらしい。ライ病がハンセン病となったようなものだと思う。
あと、その治療法について。ナッシュは電気ショックみたいなのを与えられる療法を受けていたみたいで・・・。 調べた結果、今はそういうことはほとんど行われていないようだ。服薬治療が一般的で、薬を止めると再発する可能性はかなり高く、再発を繰り返すと治りが悪くなってしまうらしい。 映画の中でナッシュは薬を飲まず再発していた。薬には副作用があり、だるかったりボーっとしてしまったり・・・女性の場合だと月経不順などが起こるらしい。だから、飲みつづけるのを拒否する人もいるらしいのね。 その後、幻覚とともに歩むことにしたナッシュだったが、薬を続けていたのかは触れられていない。多分飲んでなかったのではと思うが・・・。 でも、果たしてこういう強い意志の力で病気と付き合っていくことができるのかどうか? そういうことも何となく気になったのではある。
それからもう一つ、一体ジョン・ナッシュは何でノーベル賞を受けたのか? 実は映画の中でナッシュが研究していたことはほとんど説明がない。多分そのような難しいことを映画中で説明してもわからないということがあるのではと思う。確かに最初の方でナッシュが説を思いつくシーンなども、見ていてもあまりよくわからないというのが正直なところだ。天才の考えることはよくわからないっていうか。 大学時代に書いた1本の論文が認められ、ナッシュはウィーラー研究所へと就職が決まるわけだけど、どうもこの論文がノーベル賞を受けた元になっているようだ。 結局、最後までわからなかったのは、ナッシュはその後、病気を克服して大学に戻ることになるが、そこでも色々と数式を書いたりしていたわけ。この最初の論文を元にさらに研究を続けてその成果がノーベル賞を受賞するにふさわしかったのか? それとも、今はノーベル賞とは別の研究に没頭しているのか? それがわからなかったのはちょっと残念だったかもしれない。
さて、ナッシュは実在の人物であり、今もなお存命中だ。そのこともあり、この映画がアカデミー賞にノミネートされていることとあいまって、米国ではこの映画が美しすぎるし、事実を伝えていないと批判的意見が相次いでいるらしい。
確かに映画の中では精神分裂病について深く追求もされていないといえば、されていない。ただ、妻のアリシアの方が感情を爆発させるシーンなどはある。子供を抱えて、だんなは病気で仕事もできず・・・。私は一体どうやって生計を立てていたのだろう?と思ったが、中にどっかでパートをしているみたいなシーンがあったので、多分妻が働いていたのだろう。そういうつらいシーンはほとんど出てこなかった。 そして、このあたりからどんどん時間が進んでしまい、深い描写は避けられている。あっという間にノーベル賞授賞式になってしまう。とはいえ、やっぱりすごく感動することはするのだけれど。
ちなみに実際はナッシュはアリシアと結婚する前に別の人と結婚して子供をもうけていたとかいう話を読んだ。やっぱり映画と実際は違うんだなーと、改めて思わされてしまった。
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