| 2002年08月30日(金) |
宮部みゆき『地下街の雨』 再読 |
この前、うちに泊まりに来た友達が、宮部みゆきの初期短編集『地下街の雨』を忘れていった。 なつかしいなあ。 中学生の頃、さかんに宮部みゆきを読んでました。 この本は、私の中で宮部みゆきベストってぐらい面白く読んだことを思い出して、もう一度読んでみることにしました。
ストーリーって、忘れるもんなのねえ。 はあ。 私は忘却の生き物ですわ。 まーったく覚えていない。 全編日常ミステリーなんだけど、最後のどんでん返しを読むまでまったく、だまされつづけて読みました。
だから、ほとんど初読のような再読。
でも、正直、この短編集は着眼点は面白いけど、それほど魅力的だと思えませんでした。
多分、本の読み方が変わったからなんだと思います。 中学生の時は、「ストーリーの面白さ」「キラっと光る独自性」みたいなものがある本が好きだったんだけど、今は、そうじゃない気がします。 奇抜な物語よりも、文章表現からにじみ出る空気感みたいなものに惹かれます。 その点では、この短編集の文は、「上手いこと言うなあ」とは思うけど、それがかえって目に付いてしまって不自然な感じで好きになれませんでした。
読書って、すごく主観的なことだから、その時の精神状態や環境、いろんな要因に影響されて読んでいるんですね。 中学生の私と今の私では、同じ人間であっても、まったく違う感覚で読んでいるんだなあって思いました。
|