簡単に見えることを深く、複雑なことを単純に示すことが教師の仕事だとしたら、絵本は本当に優れた教材だと思います。
今日は読みきかせの研修会に参加して、たくさんの絵本に触れました。 大人になって初めて気付いたけれど、ほんっとによく仕組まれて1冊の絵本ができているんだなあ。
深いよっ。
そして、自由だねえ。
私自身は絵本を面白がれないつまんない人間だけど、絵本を使って、たくさんのことを子どもに伝えられるなあってわくわくした。
今日の研修には演習もあって、全員が実際に絵本を持参して読み聞かせをした。 私が選んだのはスーザン・バーレイ『わすれられない おくりもの』です。
村の知恵袋のアナグマが寿命で死にます。周りのものは悲しみ、沈み込みますが、やがて、アナグマの残してくれたものに気づき悲しみを乗り越え、その死を受け入れていきます。
死は身近で経験しなければ、その深刻さや絶対的な存在感を想像することは難しいです。
少子高齢化、核家族化、またはもろもろの今日的な要因が影響して、子どもの命の尊さを実感として感じる感覚が鈍くなってきています。
それでも、死というものを正面からとらえ、きれいごとで終わってしまわないために、この絵本は大きな助けになってくれるはずです。
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