■2002年10月07日(月)
― 不思議な夢 ―
疲れているのかな?残業ナシで帰宅して、すぐ眠くなってベッドに入ってしまった。 不思議な夢を見た。でもどこか懐かしくてあたたかいキモチになるようなこんな夢…。 久しぶりに実家に帰って近所を散歩していると、人の良さそうな紳士となぜだか知り合いになった。話を聞くと、私と同じくらいの年頃の、紳士の娘さんが近くでラーメン屋さんを開いていると言う。そのラーメンが絶品なので、多くの人に勧めたいらしい。ラーメン好きの私に「ぜひ寄って食べてやってください、さぁさぁどうぞ!」と笑顔で案内する紳士。「おいしいラーメン」の誘惑に負けて、紳士の言うがままに坂を下ってついていく私。 紳士があらかじめ連絡してあったのか、途中、当のラーメン店主の娘さんがわざわざ出迎えてくれた。その娘さんの笑顔が、またお父さん同様に人なつっこくて、それにかわいくて。「ラーメン屋さん」というよりは、おしゃれな雑貨屋さんの店員さんといったカンジの人だった。 彼女は「さあ、どうぞ!」と笑顔いっぱいであたたかく店に迎えてくれて入ると、そこは、娘さんと同じで「ラーメン屋」というよりは「こぢんまりとしたカフェ」っぽい内装。こげ茶色の小さなテーブルと椅子。手作りっぽく和紙でくるんであるランプシェード。窓からこぼれる柔らかい日ざし。いるだけで本当に心地よかった。 問題の「絶品」と評判のラーメンを、彼女はすぐに作って出してくれた。ひとくち食べてみると・・・すごくおいしい!スープも麺も、素朴だけどコクがあって、今までに食べたことの無いような味なんだけど、おいしかった。彼女にそれを伝えると、不安そうだった表情がいっぺんに明るくなった。 それから私たちはお互いの話をした。好きな人のハナシ、将来の夢のハナシ、家族のハナシ・・・。どんなハナシも彼女のあたたかい人柄を感じることができた。また、そんな私たちを少し眺めているお父さんも、うれしそうだった。 お父さんは私に言った、「あの子はラーメンのことばかり考えていた。おいしいラーメンを作るためにどんなものも犠牲にした。友達もいない、恋人もいない。でも、そんな寂しい人間に人を感動させるラーメンが作れるだろうか?僕はあの子にそれを教えてあげたかった。彼女がそれに気付いて、孤独なラーメン修行だけではなく、たくさんの人たちとあたたかい心の交流ができるようになったとき、彼女は絶品のラーメンで人々を幸せにできるようになった。」と。いい話だった。 「きっと、また来るね、おいしかったよ。どうもありがとう!」と2人に手を振ってラーメン屋さんを出て家へと向う私。実家ではなくいつもの一人暮しの家へ帰った。部屋に入ると当たり前だけど、私はひとりぼっちだった。さっきまでの、ラーメン屋のお父さんと娘さんとのあたたかい交流を思い出すと、自分が本当はひとりぼっちだとわかってしまった。「寂しいな」…と心から思ったときに目が覚めた。 こんな夢見るなんて、自分は、今、ガラにもなく、けっこうココロが疲れているのかもな〜と思う。あたたかなキモチを、夢だけではなく現実でもすごく「渇望」しているみたいで…。ちょっとしめっぽいな、私ったら。
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