世界の驚嬉(きょうき)が終わった後、暗闇の中で輝かしい光の束が流れていく。
銀箔の扉だけが、白光を反応していく。
嬉しさの後には、哀愁でも退廃でも、ましてや絶望ですらない。
せめて、彼らであったのなら、と感じるのに。
ハエのざわめく音、無意味な神の声、胸を奏でる嗚咽、重なっては離れ、遠のいてはコーラスを折り返す。
雲から振り下ろされる輝かし光の束は、人の声や思念で歪まぬけれど、真空を隔ててろ過されている。
嗚呼、また、右から左へと白光は真横へ流れていくだけ。
この胸に、いやせめて眉間の奥に響くものがあれば。
せめて、虚無でも充実でも驚嬉でもない、薄汚れた青いタイルに温もりという皹だけでも。
注記;「驚嬉(きょうき)」は造語、「皹(ひび)」
執筆者:藤崎 道雪