お爺さんが亡くなって1周忌も過ぎました。
都心から近郊に移って、ぼーっと暮らしていて、子供もそれぞれ出て行ってひ孫も出来そうでドタバタしています。
そのドタバタから離れて何十年も経ちましたが、最初は嬉しかったものです。
もう今は、ドタバタしてくれっぱなしだったおじいさんも居なくなり、でも、子供の世話にも老人ホームに行くのも気が進みません。気が進まない、もありますが、今まで「勝手だ、わがままだ」とお爺さんを怒っていたのが懐かしくなって、時々、涙がホロリとこぼれます。
おじいさんは何て勝手な、しょうのない人だったのでしょう。居なくなって改めて思い直します。
おじいさんのお葬式にお友達は3人しか来てくれませんでした。あんなにお友達が多かったというのに。
後4人は病院から連絡を下さりました。
私のお葬式の時に何人のお友達が来てくれるのでしょう。
私が最後かもしれませんね。
そうだわ、私を置いていくなんて。
私にこんな思いをさせるなんて、全く勝手な人だったわ。
ほんとに。
ほんとだわよ、おじいさん。
執筆者:藤崎 道雪 (校正H16.6.18)