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「 辛夷(こぶし)の散り頃 」
2005年04月01日(金)



 激しさ。人を喰らい尽くす欲望と殺人の攻撃衝動が分岐する地点まで。
 刹那さ。永遠の初恋への哀愁と不治の病で肉体が蝕まれる絶望が分岐する地点まで。
 嬉しさ。肉親に包まれる抱擁感と社会から絶賛されて自らが広がる錯覚が分岐する地点まで。
 平明さ。知的好奇心のワクワク感と数々の合理によって世界の観え方が一変する賢明が分岐する地点まで。

 それらの地点まで 
 それらの地点まで
 それらの地点まで

 ギュッと利き腕のこぶしを握り締め、何度も握りなおしてはその地点を想う。
 全てを凝縮しようと、何度も何度も。

注記:辛夷(こぶし〉モクレン科の落葉高木。山地に多く、庭木ともする。葉は倒卵形。早春、葉に先だって、香りのある大きな白色六弁花を開く。花弁はへら形。秋、集合果が開裂して赤い種子が白い糸で懸垂し、種子はかむと辛い。蕾(つぼみ)を鎮静・鎮痛剤とし、香水の原料とする。コブシハジカミ。ヤマアララギ。[季]春。infoseek辞書より抜粋

執筆者:藤崎 道雪

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