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「 正銘信号機 」
2006年04月15日(土)



 ふー、とほっぺをマンパンにした空気を深く吐き出した。
 少し額を上げて、視線が広がると気持ちが安らぎ、昼間の休み時間に書いた恋人とのシークレットの日記の内容を思い出さぬとも思い出した。
 視線の先にある信号機は夜のネオンに照らされてとても可憐だ。
 赤々と眼球が充血しているような肉体、そこへとっておきの音楽をジャンルを超えてぶち込みまくる。脳内が活性化して肉体の充血のぼんやりとした視界とせめぎあってくる。その中で残ってくる音楽だけが一流の証明であって、どっかの雑誌に載っているようなのではなくなる。
 少し生まれる自信と執着。
 固執の果てに生まれるだろう新しい生命の誕生と婚姻という新しい関係。
 全身全霊のエネルギーで押さえ込むと衝突する女性性との相克が恋というものの本質で、それは故意に増大しうる。

 嗚呼、あの信号機に見えるよ、君の笑顔、おすまし、怒りのように
 嗚呼、あの信号機に近づいていくよ、結婚、誤魔化し、殺人のように
 もう少しだけ肉体と脳の鬩(せめ)ぎ愛を続けていくことにするよ

執筆者:藤崎 道雪 
 


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