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「 初夏の田圃(たんぼ) 」
2010年06月01日(火)



 田植えの終わった
 闇夜の曇った
 大合唱の蛙の尽きない
 田圃は真っ暗ではない

 稲刈りの始まる
 猛夏の晴れ渡る
 ノシメトンボの群がる
 田圃は真っ暗でしかない

 嫋やかな苗たちの彩どりが
 私をあやめていく


追記:「あやめる」は「殺める」、「危める」、「彩める」の3つの意味
   「殺める」は存在者としての私をうす暗い初夏の世界へと引きづり込んでいく、という意味。初夏=昼と対比して闇=欲望=存在一般へと還元する、という意味。
   「危める」は存在としての私を危めていく、という意味。可能性を意味する「危める」は、理性的な私を外にある存在へと広げていく、という意味。「殺める」との違いは、実行と可能性の点、全体の情のみの点
   「彩める」は存在者としての私に世界を引きずりこむ、という意味。前文の「彩どり」が私の肉体の中に浸透してくる、という意味。初夏、特に曇りの夜は空が真っ暗にならず田圃も暗くはない。その気づきの瞬間、明るい暗いという二項対立=固定観念を壊す何か=驚き=彩どりが肉体に侵入する、という意味


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